病歴/身体所見
・39歳女性
・2日間持続する呼吸困難のためER受診
・受診時呼吸回数30回/分であり、whezing+stridorが聴取されていた
◦呼吸補助筋使用はなし
・気管支拡張薬が迅速に投与されたが症状は改善しなかった
その後の経過
・受診から2時間後、呼吸困難が増悪
◦RR50/分、著明なstridor聴取、呼吸補助筋使用あり
・この時点で胸部単純レントゲン撮影がされた
右上葉に浸潤影を認める
・耳鼻科へ緊急コンサルトされ、喉頭ファイバー検査を実施
◦声門下領域に管腔外病変が疑われた
・difficult airwayが疑われたため、RSIなしに挿管された
→気管挿管失敗のため緊急気管切開目的で手術室に送られた
・外科的気道確保がされた翌日、CTが撮影された
気管支狭窄(矢印)と、その周囲の軟部組織腫脹や複数のリンパ節腫脹(矢頭)
T4-6レベルでの気管狭窄が強い
診断
結核性気管気管支炎
・喀痰MGITは3連続で陰性だったが、XpertMTB/RIFで陽性となった
(J Thorac Dis. 2016 Dec;8(12):3797-3802.)
・肺結核患者の5-10%程度を占める
(J Thorac Dis. 2016 Dec;8(12):3797-3802./J Med Imaging Radiat Oncol. 2013 Oct;57(5):576-81./Multidiscip Respir Med. 2012 Oct 22;7(1):34.)
・症状…咳嗽、発熱、血痰など
(J Thorac Dis. 2016 Dec;8(12):3797-3802./Multidiscip Respir Med. 2012 Oct 22;7(1):34./Respir Med. 1994 Sep;88(8):593-7.)
◦より中枢の気道が関与する場合には、急性かつ重度の気道閉塞/呼吸不全を発症しうる
(J Thorac Dis. 2016 Dec;8(12):3797-3802.)
結核性気管気管支炎を発症すると、以下のような所見がみられます。