りんごの街の救急医

青森県弘前市の救急科専門医による日々の学習のまとめブログです!間違いなどありましたら是非ご指摘下さい。

アナフィラキシーガイドライン2020

アナフィラキシーガイドラインの最新版が出ました! Marcus S Shaker. et al. Anaphylaxis-a 2020 Practice Parameter Update, Systematic Review, and Grading of Recommendations, Assessment, Development and Evaluation (GRADE) Analysis J Allergy Cli…

アルコール使用障害患者の酸塩基平衡異常と電解質異常

ERにアルコール使用障害(Alcohol-Use Disorder: AUD)の患者はよく受診します。 それぞれのERにお得意様のような患者さんがいるのではないでしょうか( 一一) 「酒飲みはめんどくさい~」と声が聞こえてきそうですが、 めんどくさがっていると重大な合併症で…

神経ブロック

前回から引き続いて、痛みへのマネジメントです。 今回は、ERにおいて役立つ神経ブロックをまとめておきます。 強い疼痛を除痛するため、処置をするときの鎮痛などで役立つこと間違いなしです。

ERにおける鎮痛

救急外来で必要な鎮痛の知識についてまとめました。 いろいろな鎮痛薬が出回ってますが、それぞれの鎮痛薬の使い分けをできるとよいですね。 今回は以下の文献を参考にしています。 Almehlisi A et al. Emergency department pain management: beyond opioid…

救急外来における医師と看護師のコミュニケーション

救急外来において、スタッフ間でコミュニケーションをとることは 患者の安全性を担保しつつ効果的な対応を行う上で必須です。 あれ、なんでまだこのオーダーやられてないんだろ… こんな重症ならもっと早く声かけてよ… 患者についての情報はカルテに書いてあ…

門脈内ガスと胆道気腫の見分け方

門脈内ガス(hepatic portal venous gas: HPVG) と 胆道気腫(pneumobilia)は見分けがつきづらい 。 頻度としてはそこまで多くないけど遭遇すると非常に悩ましい。 いずれにせよ重度の疾患が隠れていることが多いし…。 今回はこれらの鑑別方法について調べ…

急性膵炎

急性膵炎のレビューを読みましたので紹介します。 NEJMに2016年に掲載されたものでやや古いですが、 最近発表された経腸栄養に関するCochrane reviewや日本発信の疫学調査についても 併せて紹介します。 N Engl J Med. 2016 Nov 17;375(20):1972-1981.Acute …

救急医のHINTSは中枢性めまい除外に有効か?

めまいの患者診療においてHINTSはもはや知らない人がいないくらいに有名になっているかもしれません。 HINTSはAVS(acute vestibular syndrome)に対して行う身体所見です。 ※BPPVを疑う人にやっても意味ありませんよ。 AVSとは以下を満たすめまい患者です。…

上部消化管出血への緊急内視鏡は死亡率を低下させるか?(N Engl J Med. 2020 Apr 2;382(14):1299-1308.)

上部消化管出血を疑う患者が来たときには、 最終的には内視鏡をしてもらって診断→治療につなげます。 日中であれば消化器内科にコンサルトして対応を協議でよいですが、 夜中にはなかなかどうするか悩むところです。 上部消化管出血に対する内視鏡のタイミン…

椎骨動脈解離、頸動脈解離のレビュー

二次性頭痛の重要な鑑別として頸動脈解離や椎骨動脈解離があります。 若年性脳卒中の約20%ほどの原因となっており、見逃しは永続的な神経障害の原因となるため避けたいところですが、比較的まれなこともあり、診断はなかなか難しいです。 個人的には、特発…

よくわからん症状を訴える高齢者へのトロポニン検査は有効か?(Acad Emerg Med. 2020 Jan;27(1):6-14.)

米国のERでは65歳以上の患者が約15%を占めるそうです。 …ふふふ、大したことないですね。当院はその3倍以上は来ていると思います。 それゆえに、(偉い先生は病歴と身体所見だけで大体診断がつくっていってますが) しばしば非特異的な症状を訴え、併存疾患…

心房細動には電気的除細動か、薬物的除細動か?(Lancet. 2020 Feb 1;395(10221):339-349.)

PAFに出会ったときにどのように対応しますか? 患者の背景や心房細動の発症時間によって対応はまちまちですが、 基本的な対応指針は以下のようになります。 ・血行動態不安定なら同期下cardioversion ・血行動態安定している場合ならrate controlでもrhythm …

自然気胸は保存的加療が可能か?(N Engl J Med. 2020 Jan 30;382(5):405-415.)

よく外来でドレナージされる自然気胸に関して、 「そんなにドレナージしなくていいんじゃないの?」という問いかけを行った研究がNEJMより発表されたので紹介します。 N Engl J Med. 2020 Jan 30;382(5):405-415. doi: 10.1056/NEJMoa1910775.Conservative v…

小児版SSCG 推奨77個のまとめ

小児版SSCGが出ました! 小児敗血症は、成人に比較して圧倒的に遭遇頻度が低いですが、 もしものときに対応できるようにガイドラインには目を通しておきます。 まずは推奨のまとめのみ書き出します。 Intensive Care Med. 2020 Feb;46(Suppl 1):10-67. doi: …

救急外来での事例振り返り①

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小児DKAガイドライン BSPEDより

2020-2021年にNICEガイドラインも改訂されるようです。 それまでに暫定的な推奨事項を示すために作られたガイドラインみたいです。 BSPED Interim Guideline for the Management of Children and Young People under the age of 18 years with Diabetic Keto…

腎機能障害がある患者への造影剤使用(米国放射線学会と腎臓病学会の合同声明)

造影CTの時に使用するヨード系造影剤についてのまとめになります。 現時点での推奨、わかっていることとわかっていないことが 詳しく記載されていてよかったです。 Use of Intravenous Iodinated Contrast Media in Patients with Kidney Disease: Consensus…

ERからは便潜血検査キットを撤去しよう

個人的にはERで便潜血検査(Fecal occult blood testing : FOBT)を行うことはまずありません。 これによって、治療方針が変わることがまずないからです。 それについて解説したreviewがありましたので紹介します。 さあ、明日からERでFOBTするのはやめまし…

敗血症性ショックへのビタミンC投与 VITAMINS

敗血症性ショックに対するビタミンC投与は、救急分野でかなり注目されています。 metabolic resuscitationとかMarik cocktailとか言われている方法です。 個人的には結構信頼を置いており、何度か使用機会がありました。 実感としては、敗血症性ショックの際…

wide-complex tachycardia(WCT)をみたときの初期評価と対応

WCTへの対応で困ることは、 本当にこのWCTはVTなのか?それともそれ以外なのか? 対応はどうすればいいのか? というところに集約されると思います。 本日ご紹介するreviewはそんな僕らの助けになる文献です! 一読の価値ありです! (Am J Emerg Med. 2019 …

タミフル(oseltamivir)でインフルエンザ様症状の改善が早まる⁉

Lancetから衝撃の内容の論文が出ましたので紹介します。 でも、個人的にはこの研究ちょっとヤバいんじゃないかと思います。 最後に私見を記載したいと思います。 Lancet. 2019 Dec 12. pii: S0140-6736(19)32982-4. doi: 10.1016/S0140-6736(19)32982-4. [Ep…

RSIではrocuronium vs succinylcholine?

JAMAよりrocuronium vs succinylcholineのRCTが出ました! 個人的にはrocuroniumしか使用したことがありませんが、 Roc RocksやSux Sucksというスローガンを立て両者間で議論があるようです。 (JAMA. 2019 Dec 17;322(23):2303-2312.)

AHA/ASAによる脳梗塞ガイドライン2019

2018年にAHA/ASAから脳梗塞のガイドラインが出ました。 その追補版のような感じでしょうか、今年も出ました2019年度版! この際に最先端の推奨をまとめておきましょう( ̄▽ ̄) (Stroke. 2019 Dec;50(12):e344-e418.) ※70ページ以上にわたるガイドラインを全…

めまいはTiming and Trigger approachで診断しよう!

みなさんはどのようにめまいを診断していますか? 回転性なのか、浮動性なのか、症状を分類してそこから鑑別を進めていますか? 実はそういった従来用いられていたapproachを使うと診断ミスが起きやすいことが知られています。 じゃあ、どんなアルゴリズムで…

肺塞栓除外のためのD-dimer閾値 PEGeD study

肺塞栓診断は結構難しいです。 ERにくるそれっぽい患者すべてに造影CTするわけにもいきませんし、 それでいて見逃すと致命的です。。。 みなさんはどのように診断していますか? NEJMより、外来診療する医師には必見の研究が発表されました! 低リスクならD-…

Ottawa SAH ruleと6-hour-CT rule SAHを見逃さないために

頭痛患者がくると、一番の焦点はSAHか否かというところだとおもいます。 Clinical decision ruleとしてOttawa SAH ruleが有名ですが、それについての外的妥当性の検証が出ていたので紹介します。 また、発症6時間以内であればCTのSAHに対する感度はほぼ100%…

2019 AHA guideline update 成人へのACLS編

成人CPAへのACLSについて、 2019 AHA guideline updateが出ましたので紹介します。 結局、あんま変わっていないような…。 ( Circulation. 2019 Dec 10;140(24):e881-e894. )

ESETT trial~痙攣重積に対するsecond lineはなにがいいのか?

けいれんに関する論文を読んでいると、 「現在ESETT trialが進行中である」という文言を何度も見かけていました。 ついにそのESETT trialがNEJMより発表されました。 さっそく読んでみました…! が、納得したところと納得できなかったところがあります。 み…

トラネキサム酸 超topics!これまでのまとめ

救急分野でトラネキサム酸はとてもホットなtopicsです。 当院救急外来でも使わない日はないというくらいオーダーがでています( ̄▽ ̄) 最近は当ブログでも紹介しましたが、CRASH-3も出ましたよね! 使わない手はない…!という感じでしょうか。 外傷以外につい…

CRASH-3~外傷性脳損傷に対するトラネキサム酸投与は有効か?

ついに出ました!CRASH-3! トラネキサム酸(TXA)はいまや出血イベントに対してはほぼルーチンのように使用されています。特に受傷3時間以内の外傷に対しては有効とされていますが外傷性脳損傷(TBI)に対しての効果については小規模の研究のみでした。 今…