りんごの街の救急医

救急科専門医によるERで学んだことのまとめブログです!間違いなどありましたら是非ご指摘下さい。Twitterでも医療系のつぶやきをしています@MasayukiToc

神経

Real ER Round No.5:けいれん!でも、ルートがとれない!!!

一般的なけいれんの止め方について勉強しましょう! いつでも最善の状態で治療できるわけではありません。 「セルシン静注!!!」と呪文を唱えたはいいものの、ルートがとれない… そんな状況ではどんな立ち回りをすればよいでしょうか? 第一選択薬:ベンゾジ…

review:抗菌薬関連脳症(AAE)

一般病床でもICUでも、「せん妄」は日常茶飯事だと思います。 「ハイハイ、またせん妄ね」とだけ暫定診断をつけて、 その背景疾患を探ることを怠ってしまうことはありませんか? 「抗菌薬関連脳症」( Antibiotic-associated encephalopathy :AAE)なんて考え…

RCT:くも膜下出血に対する「超早期トラネキサム酸投与」は臨床的予後を改善させるか?

出血へのトラネキサム酸投与はよく議論されている分野です。 今回はトラネキサム酸 vs くも膜下出血についてです。 動脈瘤性くも膜下出血は、再出血により臨床的予後や死亡率が悪化することが知られています。 (Stroke. 2018 Feb;49(2):333-340.) その再出…

Ottawa SAH ruleと6-hour-CT rule SAHを見逃さないために

頭痛患者がくると、一番の焦点はSAHか否かというところだとおもいます。 Clinical decision ruleとしてOttawa SAH ruleが有名ですが、それについての外的妥当性の検証が出ていたので紹介します。 また、発症6時間以内であればCTのSAHに対する感度はほぼ100%…

ESETT trial~痙攣重積に対するsecond lineはなにがいいのか?

けいれんに関する論文を読んでいると、 「現在ESETT trialが進行中である」という文言を何度も見かけていました。 ついにそのESETT trialがNEJMより発表されました。 さっそく読んでみました…! が、納得したところと納得できなかったところがあります。 み…

ODS 浸透圧性脱髄症候群

ちょっと前まで橋中心髄鞘崩壊症(CPM)と呼ばれていたアレです。 これまであまり出会うことがありませんでしたが、最近エンカウントしたので 主にUpToDateからまとめてみました!

脳梗塞急性期治療に関するガイドライン 静注血栓溶解療法適正治療指針 第三版

急性期の脳梗塞が来たときに、tPAや血管内治療の適応がぱっと思いつかないようだと初動が遅れてしまいます。1時間対応が遅れる毎に神経学的予後が20%低下するなんて話も聞きます。そう、Time is brainなんです! 病棟で心房細動既往がある患者さんが左片麻…

けいれん

けいれんについてERの現場で考えておくべきことをまとめてみます! 今回はこちらの論文です! ( Semin Neurol. 2019 Feb;39(1):73-81.) ERの教科書的なことがまとまっていてわかりやすかったです。 いちばんびっくりしたことは、「痙攣重積発作における13k…

二次性頭痛の見逃しをなくそう!③

今回は、主要な二次性頭痛のマネジメント編です!

二次性頭痛の見逃しをなくそう!②

EmergencyMedicine Practiceと並んで大好きな雑誌「Emergency Medicine Clinics of North America」には、どんな患者が危なくて、実際どんな検査をしていけばよいのかより具体的に記載があったため、共有したいと思います。 Emerg Med Clin North Am. 2016 N…

二次性頭痛の見逃しをなくそう!①

Emergency Medicine Practiceから救急外来で見逃してはならない二次性頭痛のreviewが出ていました! まずは、病態生理、疫学と症状の特徴や病歴/身体所見/検査特性について見ていきましょう!