病歴/身体所見
・21歳女性
・複視のためER受診
・別のERを受診したときには"lazy eye(斜視)"と診断されたという
・過去数年にわたり間欠的なめまいを自覚していた
・眼球運動障害を認めた…両側眼球の内転運動不能
・瞳孔不同なし、対光反射+/+
検査
・頭部MRI…T2WIにて、脳室周囲白質に複数の高信号域を認めた
診断
多発性硬化症による核間性眼筋麻痺
◦身体所見から簡単に同定可能
・鑑別疾患には以下が含まれる
◦悪性腫瘍
◦第III脳神経麻痺(動眼神経)
‣眼瞼下垂や瞳孔の異常などが追加で見られうる
◦脳卒中など
初期診断:斜視というのはちょっとおそまつな感じがします(笑)
忙しかったんでしょうね。
複視の鑑別は時に難しいですが、以下のアルゴリズムを覚えておけばバッチリです!
まとめ
・核間性眼筋麻痺(Internuclear ophthalmoplegia:INO)は、多発性硬化症などの脱髄疾患と関連する内側縦束(MLF)の病変によって引き起こされる眼球運動障害で、水平注視時に内転不能となるが、輻輳は保たれることが特徴的である