りんごの街の救急医

青森県弘前市の救急科専門医による日々の学習のまとめブログです!間違いなどありましたら是非ご指摘下さい。Twitterでも医療系のつぶやきをしています@MasayukiToc

症例98:複視と間欠的なめまいを訴える21歳女性(J Am Coll Emerg Physicians Open. 2020 Oct 21;1(6):1761-1762.)

病歴/身体所見

・21歳女性
複視のためER受診
・別のERを受診したときには"lazy eye(斜視)"と診断されたという

f:id:AppleQQ:20210214163202p:plain

・過去数年にわたり間欠的なめまいを自覚していた
眼球運動障害を認めた…両側眼球の内転運動不能
・瞳孔不同なし、対光反射+/+

 

検査

・頭部MRI…T2WIにて、脳室周囲白質に複数の高信号域を認めた

f:id:AppleQQ:20210214163308p:plain

f:id:AppleQQ:20210214163333p:plain

 

 

診断

多発性硬化症による核間性眼筋麻痺

 

 

核間性眼筋麻痺(Internuclear ophthalmoplegia:INO)は、多発性硬化症などの脱髄疾患と関連する内側縦束(MLF)の病変によって引き起こされる眼球運動障害
 
水平注視時に内転不能となるが、輻輳は保たれることが特徴的
 ◦身体所見から簡単に同定可能
 
・鑑別疾患には以下が含まれる
 ◦悪性腫瘍
 ◦第III脳神経麻痺(動眼神経)
  ‣眼瞼下垂や瞳孔の異常などが追加で見られうる
 ◦脳卒中など

 

 

初期診断:斜視というのはちょっとおそまつな感じがします(笑)

忙しかったんでしょうね。

 

複視の鑑別は時に難しいですが、以下のアルゴリズムを覚えておけばバッチリです!

appleqq.hatenablog.com

 

 

まとめ

・核間性眼筋麻痺(Internuclear ophthalmoplegia:INO)は、多発性硬化症などの脱髄疾患と関連する内側縦束(MLF)の病変によって引き起こされる眼球運動障害で、水平注視時に内転不能となるが、輻輳は保たれることが特徴的である