たびたびやってくる指輪が抜けなくなる人。
太ってしまってその結果…なんてこともあるし、
心不全などで浮腫が強くなったり、
虫刺症で炎症が強くて抜けなくなることもあります。
大事であろう指輪を切らずに抜くことができればそれに越したことはありません。
指輪の抜き方をreviewしましょう。
(Am J Emerg Med. 2013 Nov;31(11):1605-11. )
大前提~虚血の所見があるかどうか~
以下のアルゴリズムが有効です。
指輪の除去方法
winding technique
①遠位部から近位部に向かって、糸を指輪の下に通す
②遠位部の糸を用いて指の近位から遠位に向かってきつくぐるぐる巻きにする
③指の先端に向かって近位部の糸を引っ張る
④徐々に糸がほつれながら指輪が抜ける
※指を潤滑剤でぬるぬるにしておくとよい
caterpillar technique
・最も基本的なテクニックだと思う
・下から指輪を押し上げながら左右にグニグニと「なんば歩き」しながら抜いていく
・しわができたらそれを末梢に伸ばしながらおこなう
compression technique
①指の先端から酸素マスクのゴムなどを巻いていく
②その状態のまま指を心臓より高く上げて2-10分ほど待つ
③指の基部をしっかり結んでゴムを外した上でcaterpilar techniqueなどを用いて除去
twin threads technique
①まず指を潤滑剤でしっかり濡らす
②糸を指輪の両端に結び付ける
③アシスタントが両方の糸を連続的に同じくらいの力で引っ張る
④母指と示指で指輪の掌側と背側をそれぞれ把持して、うにうにと動かして抜く
めんどくさそうですけど、これの進化版みたいな方法もあるようです!
modified string technique
glove technique
①使い捨てグローブの指の部分を根元からカット
②それを指にかぶせつつ、根本は指輪の下をくぐらせる
③指の先端に向かって手袋をくるくると巻いていく
ring cut
上記の方法でとれないときや、阻血が強いときにはring cutしかない。
まとめ
・虚血の所見があれば緊急事態!即刻ring cutをせよ!
・虚血の所見がなければ非緊急。いろいろな指輪除去の仕方に習熟しておく。
・除去した後も虚血所見がないか再確認。伸筋腱と屈筋腱の評価もすること。