りんごの街の救急医

青森県弘前市の救急科専門医による日々の学習のまとめブログです!間違いなどありましたら是非ご指摘下さい。Twitterでも医療系のつぶやきをしています@MasayukiToc

トラネキサム酸総復習!

トラネキサム酸について総復習しておきましょう! 最近以下のnarrative reviewがでましたので紹介します。 これにさらに私見を入れ込んで、院内抄読会で発表しましたので、 そのスライドの一部を共有します。 Wang K, Santiago R. Tranexamic acid - A narra…

アナフィラキシー EAACI ガイドライン

EAACI : European Academy of Allergy and Clinical Immunology より、 アナフィラキシーガイドラインがAllergy誌に掲載されました。 Muraro A, et al ; European Academy of Allergy and Clinical Immunology, Food Allergy, Anaphylaxis Guidelines Group.…

顎関節脱臼の整復方法

顎関節脱臼は、ERで勤務しているとしばしば遭遇する疾患です。 病棟や在宅診療でも、習慣性脱臼になっていて よく脱臼整復を頼まれるなんてことも多いのではないでしょうか? 力任せにグイッと治してしまうのもなんかカッコいいですが、 何度も何度もトライ…

review:救急医療を行う研修医に送りたい10戒

※リライト記事 これから救急研修に入る研修医や医療従事者に送りたい10戒を記載します。 上級医の先生は概ねご存知で遵守できていると思いますが、ハッとすることもあるかもしれません。 Evans CS, Slovis C. Revisiting the Ten Commandments of Emergency …

"はぐれSTEMI" = STEMIと同等の危ない心電図波形を見逃すな!

STEMI診断に自信はありますか? 知れば知るほど難しいな~と感じる分野ですがいかがでしょう? STEMIなんて見てわかるじゃ~ん、簡単だよ! なんて聞こえてきそうです。 国家試験の問題とか典型例はそこまで迷うことはありませんが、 実臨床ではなかなかそう…

胆嚢胆管炎の不思議:STEMIと鑑別が必要⁉敗血症なのに徐脈になる⁉

胆嚢炎や胆管炎は、色々な病気や病態のmimickerになることが知られています。 胆嚢炎や胆管炎で、虚血を疑う心電図変化が出ることを知っていますか? 黄疸があると、敗血症でも頻脈がマスクされてしまうことを知っていますか? これらを知らないと、胆嚢炎や…

ERで便潜血検査キットの出番はあるか?

個人的にはERで便潜血検査(Fecal occult blood testing : FOBT)を行うことはまずありません。 これによって、治療方針が変わることがないからです。 それについて解説したreviewがありましたので紹介します。 さあ、明日からERでFOBTするのはやめましょう…

外傷性気胸マネジメント(Western Trauma Association ver.)

外傷性気胸のマネジメントに関する推奨が出ていました。 にわかに信じがたい記載と、怪しげな参考文献だったので 個人的には「う~ん」という感じですが、 こういう推奨もあるのか、と勉強になりました。 de Moya M, et al. Evaluation and management of tr…

見逃しやすい失神の原因:交代性脚ブロックと二枝/三枝ブロック

ガイドラインには記載がありますが、 意外と認知度が低い心原性失神の原因について共有したいと思います。 もしかしたら、ERでは「異常なし」として見逃されているかも⁉ ガイドラインを見てみましょう。 不整脈非薬物治療ガイドライン(2018年改訂版)では、…

ERにおける鎮痛

救急外来に来る患者さんの多くは、疼痛や苦痛を抱えています。 それをなるべく迅速かつ十分に除去することは最優先事項と言っても過言ではありません。 評価に夢中になるあまり、患者さんの疼痛をほったらかしにしていませんか? 鎮痛手段は複数ありますか?…