病歴/身体所見
・19歳男性
・バイクの衝突事故により胸部打撲しERへ搬入
・病着時、HR131bpm, BP137/59mmHg, SpO2 70%
・右呼吸音減弱があったため右胸腔ドレナージを行い、気管挿管した
検査
・CXR…両側肺挫傷を疑う陰影
・POCUS…FASTは陰性、大動脈基部外層が小刻みにふるえているような所見があった
※サイトに行けば動画で見られます
・CTA… 大動脈壁の破綻(矢印)と壁外への膨隆(矢頭)を認めた
診断
・緊急手術の方針となった
・術中の経食道心エコーは、右冠動脈基部の裂傷を伴う右バルサルバ洞破裂の所見
・バルサルバ洞修復術とバイパス術が行われた
◦感染性心内膜炎/大動脈手術/PCI/胸部外傷など
(Catheter Cardiovasc Interv. 2020 May 1;95(6):1124-1128.)
(Acute Med Surg. 2019 Jan 28;6(2):185-187./Int J Cardiol. 2004 Nov;97(2):331-2.)
・POCUSによるタイムリーな診断がERでは要求される
・緊急で心臓血管外科と治療方針を協議すること
(Rev Port Cardiol. 2012 Nov;31(11):755-6.)
大動脈基部の重度の拡張と重度のARを認める
大動脈基部の拡張を認める