りんごの街の救急医

青森県弘前市の救急科専門医による日々の学習のまとめブログです!間違いなどありましたら是非ご指摘下さい。

下部消化管出血 ガイドライン

下部消化管出血のマネジメントに関するガイドラインが発表されていたので、今更ながら読んでみました!

 

これまでとあまりマネジメントは変わらないかな~と思いますが、

Oakland scoreとか紹介されていてへぇ~という感じでした。

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( Gut. 2019 May;68(5):776-789.)

 

推奨のみまとめてみます!

 

 

shock index>1をcutoffにして、LGIBがunstableかstableか分類することを提案
(weak recommendation, moderate quality evidence)
unstableの場合には、内視鏡/放射線治療のために出血源特定のためにCTAを実施することを推奨
(strong recommendation, low quality evidence)
stable(安定)…Oakland scoreを使用してmajor or minorに分類
(weak recommendation, moderate quality evidence)
・minor-bleed(Oakland score≦8)では、他の入院適応がなければ帰宅可能
(strong recommendation, moderate quality evidence)
major-bleedでは、大腸内視鏡検査目的での入院を推奨
(strong recommendation, moderate quality evidence)
 
※Oakland scoreによりminor vs major bleedが分類できる
 ・Oakland score≦8pts…95%の確率で安全に帰宅可能
 ・Oakland score>8pts…入院が推奨

 

Oakland scoreはMDCalcなどに登録されているので計算してみてください♪

 

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・血行動態不安定なLGIBでCTAにより出血源が特定できない場合には、即座に上部消化管内視鏡検査を行うことを推奨
(strong recommendation, low quality evidence)
 
これは非常に大事だし鉄則です!
上部消化管出血は遅れると死にます。。。
 
 
CTAでの陽性所見(extravasationなど)があれば、塞栓術目的でのcatheter angiographyをできるだけ早くすべし
(strong recommendation, low quality evidence)
※24時間可能な施設では60分以内に行うべし
 
当院ではできませんので大学病院などに転院でしょうか。
 
 
・緊急開腹術は原則的に画像的に出血源が特定された患者のみに行うべき
(strong recommendation, low quality evidence)
 
・安定している患者の場合には、RBC輸血制限戦略が推奨される
 ◦Hb<7g/dLの場合…Hb7-10g/dLを目標に輸血
 ◦心疾患を有する場合には輸血閾値をHb<8g/dLとする
(strong recommendation, low quality evidence)
 
RBC輸血制限戦略は下部消化管出血に限らず適用可能です。
 
 
・warfarinを内服している場合には休薬することを推奨
(weak recommendation, low quality evidence)
・不安定な場合にはPCCやvitamin Kで拮抗することを推奨
(strong recommendation, moderate quality evidence)
血栓性リスクが高くない患者ではwarfarinは出血から7日後に再開する
(strong recommendation, low quality evidence)
血栓性リスクが高い場合には出血後48時間時点での低分子量ヘパリン投与を推奨
(strong recommendation, low quality evidence)
※人工弁置換術後、AFを伴うMS、VTE発症から3カ月未満など
 
・心血管疾患の一次予防目的でのaspirin投与は永久的にやめることを提唱
(weak recommendation, low quality evidence)
・二次予防でのaspirinのルーチンでの中止はしないことを推奨
 ◦もし中止するのであれば止血が完了したら即座に再開させること
(strong recommendation, moderate quality evidence)
 
・冠動脈ステント挿入後患者のDAPTについてはルーチンに中止しないことを推奨
 ◦不安定な場合にはaspirinは継続、P2Y12 receptor antagonistは中止するとよい
  →5日以内に再開すること
※チクロピジン、クロピドグレル、プラスグレルなど
(strong recommendation, moderate quality evidence)
 
・DOACは中止することを推奨
 ◦致命的出血に対してはidarucizumabやandexanetを使用して拮抗することを推奨
(strong recommendation, moderate quality evidence)
 ◦出血後最大で7日以内には再開すること
(weak recommendation, very low quality evidence)

 

消化管出血に関しては救急科で入院後管理をすることはありませんが、抗血小板薬や抗凝固薬のマネジメントについても覚えておきたいと思います。