りんごの街の救急医

救急科専門医によるER診療のまとめブログです!教科書やAIでは学びにくい現場目線のpitfallがたくさん!Twitterでも医療系のつぶやきをしています@MasayukiToc

感染症・敗血症

救急医のEvidenceブックマーク Weekly #17(20260321-20260403)

今週は、3本立てです。 ①脳震盪:ちゃんと患者教育をする!運動への復帰だけではなく、受傷早期はスクリーンタイムを減らすことも指導する! ②発熱性好中球減少症:どこで抗菌薬を変更するか、切るかを考えてマネジメントする。抗菌薬変更を考えるのは、96時…

ガイドライン速報:敗血症ガイドライン(SSC)2026

Surviving Sepsis Campaign 2026が公表されました! SSC 2021から5年を経て改訂されましたが、 骨格は維持されたまま、分岐と注釈がかなりボリュームアップした印象があります。 推奨事項は129項目!そのうち46が新規のstatementでした。 すごい…。 全部読ん…

救急医のEvidenceブックマーク Weekly #15(20260228-20260306)

今週号は、 ・「敗血症性ショックのときの循環の理解を深める」のがメインでした。 最近はこのあたりの総説によく出会う気がします。 vascular waterfallの考え方に基づいて、組織灌流圧をMAP-CVPという画一的な解釈をするのではなく、主に3つの部位のどこが…

救急医のEvidenceブックマーク Weekly #13(20260214-20260220)

今週号は、 ・感染症の勉強:侵襲性カンジダ症、破傷風、侵襲性ムーコル症 ・敗血症性ショックのときの血管収縮薬の使い方、そしてバイタルサインをみてどんな初動をとればよいかについての考察 ・神経集中治療を要した患者の抜管についての考え方 ・VILI予…

救急医のEvidenceブックマーク Weekly #4(20251213-1219)

今週はちょっと忙しくてあまり読めませんでした…。 冬らしくなってきましたね。 今週の目玉は Current standard of care for septic shock | Intensive Care Medicine でしょうか。 敗血症診療を基礎から見直せるためおすすめです。 総目次はこちら これまで…

敗血症へのVitamin C投与

2017年頃から話題になっていた、 敗血症へのVitamin C投与について 議論が終焉を迎えそうなので記事にしました。 結論としてはさらばビタミンCなんですが、 個人的には奥の手として少し期待はしていた部分がありました。

review:抗菌薬関連脳症(AAE)

一般病床でもICUでも、「せん妄」は日常茶飯事だと思います。 「ハイハイ、またせん妄ね」とだけ暫定診断をつけて、 その背景疾患を探ることを怠ってしまうことはありませんか? 「抗菌薬関連脳症」( Antibiotic-associated encephalopathy :AAE)なんて考え…

review: Surviving sepsis campaign 2021

久しぶりの更新になりました。 りんごの街から引っ越しをして、うなぎと餃子の街に研修に来ており、 なんやかや準備とかで忙しかったのでさぼっていました。 ※漁業や料理の研修ではありません※ 新しい環境に慣れるまではたぶんあまり更新しません。 でも、こ…

case147:帯状疱疹って感染管理どうするんだっけ?(J Am Coll Emerg Physicians Open. 2021 May 1;2(3):e12442.)

最近は感染対策と言えばもっぱらCOVID-19ですが、 結核、麻疹、水痘といった空気感染対策を要する疾患も忘れてはなりません。 「ケツに麻酔」って覚えるんでしたね。 帯状疱疹で空気感染対策を要する場合ってどんなだっけと思い返すきっかけとして 備忘録が…

review:特発性細菌性腹膜炎(spontaneous bacterial peritonitis: SBP)

当地域はアルコール絡みの疾患が多い地域です。 ➀地域性としてもともとの飲酒量が多いと思います。 関東から青森に来てびっくりしたことの1つにスーパーのアルコールコーナーの広さがありました。関東ではアルコールコーナーはせいぜい1列でしたが、青森で…

case141:イヌに咬まれてからショックになった62歳男性(J Am Coll Emerg Physicians Open. 2021 May 1;2(3):e12423)

病歴/身体所見 ・62歳男性 ・5日前にイヌに咬まれた ・発熱と広範囲の紫斑性発疹、意識障害のため救急搬入された ・搬入後に急激に低血圧となり輸液/ノルアドレナリン/cefotaxime→meropenemが投与された 検査 ・血液検査…DICと急性腎不全の所見を認めた ・末…

case140:1カ月続く発熱と背部痛を訴える89歳女性 (JACEP Open. 2021;2:e12458.)

上記題名だけでもなんとなく想像がつくでしょうか? しかし、今回はその中でもさらに珍しい原因のようです。 病歴/身体所見 ・89歳女性 ・未治療の糖尿病が指摘されている ・4か月前に抜歯 ・1か月前から発熱と背部痛を自覚していた ・BT38.5℃, BP108/56mmHg…

case 130:全身に急激に紫斑が出現しショックになった19歳男性 (N Engl J Med. 2021 Mar 11;384(10):953-963.)

今日はCASE RECORDS OF THE MASSACHUSETTS GENERAL HOSPITALから。 長い病歴をかなり端折って記載すると以下のようになります。 鑑別疾患を思い浮かべながら対応したいと思います (もはや一択だろという感じもしますが) 症例 ・19歳男性 ・受診の20時間前…

症例113:発熱と眼球突出がある71歳男性 (J Emerg Med. 2017 Feb;52(2):e41-e43.)

病歴/身体所見 ・71歳男性 ・2週間前からの咳嗽/頭痛/発熱のためER受診 ・最近、他院にてCOPD急性増悪として5日間のlevofloxacin投与を受けていた ・患者は無気力であり、左眼窩に著明な腫脹と発赤あり、眼球突出と外眼筋運動障害を認めた A)眼窩周囲の浮腫…

症例111:83歳女性、敗血症性ショックの原因は?(Ann Emerg Med. 2021 Feb;77(2):e71-e72.)

病歴/身体所見 ・83歳女性 ・糖尿病、高血圧、CKDの既往がある ・意識障害のためERへ搬入された ・BT38.8℃, BP98/64mmHg, HR124bpm ・下腹部はやわらかかった 検査 ・血液検査…WBC15820/mm3, 乳酸10.4mmol/L ・尿検査…細菌+ ・腹部超音波とCTが実施された 恥…

RCT:軽症憩室炎に抗菌薬は必要か?STAND study

みなさんの施設では軽症の憩室炎をどのようにマネジメントしていますか? 当院では軽症のいわゆる単純性憩室炎では抗菌薬投与で外来フォローしています。 治療失敗はそれほど多くない印象です。 憩室症は80歳以上の2/3以上に発症し、そのうち20%ほどが憩室…

review:Ludwig's angina(口腔底蜂窩織炎)

本ブログでも何度か出現していますが、 現実世界で出会うと背筋が冷える疾患の1つであるLudwig's angina。 Am J Emerg Medより、最新のreviewが出ましたのでまとめました。 Bridwell R et al. Diagnosis and management of Ludwig's angina: An evidence-bas…

症例63:嘔吐/下痢/腹痛で受診した20歳男性(N Engl J Med. 2020 Nov 26;383(22):e122.)

インドからの症例報告です。 病歴/身体所見 ・20歳男性 ・昨日より持続する腹痛/下痢/嘔吐のため来院 ・生来健康であり、既往歴は特にない ・HR96bpm, BP96/60mmHg ・腹部はやわらかく圧痛はなし 検査 ・血液検査…Hb19.5g/dL WBC20800/mcL, Neu72.7%, Eos25/…

症例58:発熱と増悪する頸部痛で受診した50歳男性(BMJ. 2020 Oct 22;371:m3395.)

病歴/身体所見 ・50歳男性 ・糖尿病と高血圧の治療をしている ・4日間持続する発熱と増悪する頸部痛/腫脹のため受診 ・頸部腫脹は当初右側だけであったが左側にも拡大してきていた ・頸部痛と頸部腫脹は受診12時間前から急速に増悪傾向となり、義歯を外さざ…

症例44:胆摘後に右季肋部痛を発症した61歳女性(Clin Pract Cases Emerg Med. 2020 Nov;4(4):630-631.)

病歴/身体所見 ・61歳女性 ・数日間持続する右季肋部痛のためER受診 ・受診18日前に急性胆嚢炎に対して腹腔鏡下胆嚢摘出術が実施されている ・バイタルサイン:HR110bpm ・腹部触診で、右季肋部に中等度の圧痛を認める 検査 ・造影CT:辺縁造影効果を伴う7.3…

重症Covid-19(N Engl J Med. 2020 Dec 17;383(25):2451-2460.)

重症Covid-19へのマネジメントまとめがありました。 これまでに得られた膨大な知識をまとめるために読んでみました。 Berlin DA et al. Severe Covid-19. N Engl J Med. 2020 Dec 17;383(25):2451-2460. PMID: 32412710.

症例33:手足を含む全身に丘疹が出現した40歳男性(Clin Pract Cases Emerg Med. 2020 Nov;4(4):675-676.)

病歴/身体所見 ・40歳男性 ・数週間前より全身に皮疹が出現 ・この皮疹が出現するさらに数週間前にコンドームを使用せずに乱交した ・両側の手掌や足底に、びまん性丘疹状発疹を認める ・診察中に「皮疹が出現する前に陰茎に無痛性の病変があった」と思いだ…

症例16:両側つま先の痛みを訴える40歳男性(Ann Emerg Med. 2020 Nov;76(5):594-624.)

病歴/身体所見 ・40歳男性 ・既往歴なし ・数日前からの両側つま先の疼痛を主訴にER受診 ・発熱なし、そのほかに症状はなし ・両側つま先に、発赤調の疼痛を伴う領域を認めた 検査 ・患者はCOVID-19陽性であった 診断 COVID toes ・COVID-19患者の20%に皮膚…

症例8:下腹部の増悪する皮疹を呈する78歳男性(Ann Emerg Med. 2016 Oct;68(4):520-30.)

病歴/身体所見 ・78歳男性 ・糖尿病と慢性腎臓病のため通院している ・下腹部と左鼠径部の皮疹の増悪のためER受診 ・当初外来では、corticosteroids+clotrimazole軟膏とcephalexin+sulfamethoxazole/trimethoprim内服10日間で治療された ・全身状態は良好で…

症例4:嚥下時痛/頸部痛/開口障害のある56歳男性 (Ann Emerg Med. 2015;65:e5-e6.)

病歴/身体所見 ・56歳男性 ・3日前から悪化している右咽頭痛/頸部腫脹/開口障害 ・発熱/悪寒/嚥下時痛/嚥下障害あり ・BP134/87mmHg, HR156bpm, 38.6℃, SpO2 93% ・既往歴は不明 ・右頸部に著明な腫脹あり、皮膚の色調不良、皮下気腫を触知した ・舌の位置が…

症例3:2日間持続する嚥下時痛を訴える55歳男性(Ann Emerg Med. 2017 Apr;69(4):514-528.)

病歴/身体所見 ・55歳男性 ・2日間持続する、咽頭右側の重度で鋭い疼痛 ・疼痛のため嚥下ができない ・発熱//悪寒/呼吸困難/最近の歯科処置/口腔外傷歴なし ・バイタルサインに異常なし ・免疫不全の病歴なし ・舌右側の著明な腫脹と圧痛を認めた 検査 ・造…

小児版SSCG 推奨77個のまとめ

小児版SSCGが出ました! 小児敗血症は、成人に比較して圧倒的に遭遇頻度が低いですが、 もしものときに対応できるようにガイドラインには目を通しておきます。 まずは推奨のまとめのみ書き出します。 Intensive Care Med. 2020 Feb;46(Suppl 1):10-67. doi: …

敗血症性ショックへのビタミンC投与 VITAMINS

敗血症性ショックに対するビタミンC投与は、救急分野でかなり注目されています。 metabolic resuscitationとかMarik cocktailとか言われている方法です。 個人的には結構信頼を置いており、何度か使用機会がありました。 実感としては、敗血症性ショックの際…

タミフル(oseltamivir)でインフルエンザ様症状の改善が早まる⁉

Lancetから衝撃の内容の論文が出ましたので紹介します。 でも、個人的にはこの研究ちょっとヤバいんじゃないかと思います。 最後に私見を記載したいと思います。 Lancet. 2019 Dec 12. pii: S0140-6736(19)32982-4. doi: 10.1016/S0140-6736(19)32982-4. [Ep…

市中肺炎 CAP ATS/IDSAガイドライン2019

CAPについての新しいガイドラインが出ました。 個人的にはステロイドの使い方についてと、 HCAPという枠組みはもはや推奨されないという2点が考えさせられる内容でした。 ガイドラインについてまとめつつ、個人的な見解も少し記載してみます。 ( Am J Respi…