Real ER Round
救急外来でくも膜下出血(SAH)を見逃してしまった、というニュースを時折目にします。 頭痛で受診した患者が帰宅後に重症化した、初診時には診断がつかなかった、、、 そういった報道に触れるたび、明日は我が身だと身が引き締まります。 これは決して「他…
「事故で首が痛い人が救急搬入されますよ~」 よくある日常ですよね。 外傷患者が運ばれてきて、とりあえず頸椎カラーを装着したまま全身検索を行うことになります。 明らかな頚椎外傷があればそれでいいのですが(専門領域の整形外科へ依頼!)、 問題はあ…
ある日の救急外来、前日に入院した人のレビューをしていると… 「先生、昨日大腿骨骨折で入院した患者さん、なんか今朝から息が苦しいって言ってて…SpO2もちょっと下がってます」 「え、肺塞栓?それとも誤嚥かな…」 研修医と一緒にベッドサイドに向かいなが…
ツツガムシ病、 なんとなく「春~秋に山に入った高齢者で発熱と皮疹があれば疑う」くらいの認識で止まっていませんか? でも、実は1年間に世界で100万人が感染していると推定される疾患で、未治療ではその死亡率もバカにできません。 そして、診断のキモとい…
最近、こんな症例を経験しました。 「家で転んで、立ち上がれなくなったって言うんですけど…」 「レントゲン撮ったら、恥骨枝に骨折線がありそうです」 「歩けはするみたいなので、帰宅でいいですか?」 さて、どうすればいいんでしょうか。 高齢者が転倒し…
暑くなってきました! 熱中症が多くなる季節が、今年もやってきましたね。 以前、当院での重症熱中症シミュレーションを振り返った記事を書きました。 そこから1年弱、新しい総説もいくつか出ていたので、今回はそれらを踏まえて加筆・改訂したいと思います…
救急外来でエンカウントすると悩ましい場面のひとつに、 「血圧が高いのでみてください」があります。 トリアージで BP 210/120 mmHg、だけど本人はケロッとしている。 「うわ高い…とりあえず何か降圧薬でも入れとく?」とつい思ってしまいますが、ここで一…
精神科に通院している患者がERにやってくることは少なくありません。 そのなかでも、リチウムを内服している双極性障害の患者は、ちょっと特殊なケアを必要とすることがあります。 「ふらつき」「振戦」「意識障害」「腎機能障害」…。 一見、ありふれた主訴…
側頭骨が骨折している患者はしばしばERで見かけます。 「耳から血が出てる」 「鼓膜の後ろに血が溜まってる…これが鼓室内血腫ってやつ?」 「とりあえずCT撮ったら、側頭骨に骨折線が入ってるように見える」 さて、ここで「側頭骨骨折あり」とだけ書いて満足…
救急外来で糖尿病既往の患者が運ばれてきた。 原因不明のアシドーシスがひどく、乳酸も高い… そして常用薬に「メトホルミン」の文字。 「これってMALA(メトホルミン関連乳酸アシドーシス)では?」 「いや、敗血症からの乳酸アシドーシスかも?」 「で、結…
「目に何か入った」「薬品が目に入った」「ボールが当たって見えにくい」 救急外来にはこんな主訴の患者がそこそこの頻度でやってきます。 そして多くの施設では、夜間や休日に眼科医がその場にいないことが普通です。 そんなときに、 「とりあえず眼科にコ…
ERで高血糖緊急症をみたとき、DKA vs HHSの2軸で判断していませんか? 「血糖800、pH 7.15、ケトン陽性…よし、重症DKAだな!」 「いつものDKAプロトコルを回し始めよう!」 …でよいでしょうか?? ちょっと待ってください。 その患者さん、浸透圧もかなり高…
ER診療において、ショックにはよく遭遇します。 鑑別とマネジメントを同時並行で進めなければならないので大忙しになります。 今回はそんなショックを呈する疾患のなかでも想起されにくい チアミン欠乏症 (特にShoshin beriberi:重症型の脚気) を見ていき…
ER診療においては、 どちらかといえばHighな患者に遭遇することが多いと思います。 その代表的な疾患は敗血症で、 体温が高くて、脈が速くて、呼吸も速い! (血圧は低くなりがちですけど) 一方で、「冬眠してるのか?」 と思わせるような状態で搬入される…
顎関節脱臼は、ERで勤務しているとしばしば遭遇する疾患です。 なぜか専門家のいない夜中に限って来院するんですよね…。 なんででしょうか。 病棟や在宅診療でも、習慣性脱臼になっていて よく脱臼整復を頼まれるなんてことも多いのではないでしょうか? 力…
ER診療をしていると、ときおり大興奮状態で受診する患者がいます。 そして、そんな患者に限ってより詳しく検査をしたいと思うことがあります。 スタッフの安全を確保しながら診療を行うには、なんらかの方法で鎮静を考えることになるでしょう。 そのなかでも…
narrow QRS tachycardiaの鑑別を必要とすることが多かったので、 久しぶりにこのあたりの話をまとめてみることにします。 医学書院の連載で書いたのが3年前ですね…。 特に今回はPSVT(paroxysmal supraventricular tachycardia)のマネジメントについて一緒…
米国頭痛学会から新たにERでの片頭痛マネジメントに関するガイドラインが発表されました。 「これはやる!」「これは意味がない!」 がすごくはっきりと記載されていて、とても実践的だと感じました。 まだ読破できていない方は、以下の記事も参考にして一度…
熱中症診療はどちらかと言えば、ダイナミックで陽的なマネジメントを行います。 一言でいうなら、お祭り騒ぎです。ワッショイ! さて、季節が変わって低体温になる患者さんも増えてきました。 こちらの低体温は、「静かに静かに」陰的なマネジメントを要求さ…
血液ガス評価の基本ステップは、よく教科書に記載がある通りです。 いつでもお作法通りに評価することで見逃しを最小限にすることができます。 なかでもアニオンギャップ(AG)を見ておくことは超重要であり、これによって鑑別が大きく変わります。 さて、AG…
最近、研修医と議論になったことがあります。 「この高齢者、転倒して頭をぶつけたそうだけどすごいなんともなさそうだよね」 「CTって撮った方がいいですか…?」 さて、どうすればいいんでしょうか。 路上で倒れていた60歳代男性に対して、 初期対応の際に…
心停止患者にスパッと挿管ができたら、 あとは人工呼吸器に換気をお任せするのもいいかもしれません! BVMでずーっと換気を続けてもいいですが、 そこに1人とられてしまうので、蘇生処置に割けるパワーが減ってしまうことがデメリットです。 それなら、換気…
ケタミン、日常診療で使っていますか? 今回は ・気管挿管 ・処置時の鎮痛鎮静(Procedural Sedation and Analgesia: PSA) において、どのように効果的にケタミンが使用できるのか見ていきましょう。 ケタミンを使いこなせるようになると、ER診療で戦える幅…
緊急事態には必ずお世話になるバッグバルブマスク(BVM)ですが、 ちゃんと使いこなすのはかなり難しいです。 BVMなんて揉んどけばいいでしょ、くらいに思われがちかもしれませんが、 揉んで換気をした気になっているだけかもしれません。 日々のルーチンを…
暑くなってきました! 熱中症が多くなる季節が到来しましたね。 当院でも重症熱中症の初期対応のシミュレーションを行いました。 その様子を振り返りながら、おもに重症熱中症の対応について解説します。 いつ積極的な冷却(active cooling)を行うか? どん…
救急外来でエンカウントしたくない病態トップ10を挙げるとすれば、 AF tachycardia(AF with Rapid Ventricular Response)はかなり上位に食い込んでくるのではないでしょうか? ほかの不整脈と同じような「不安定ならすぐに除細動!」といった単純な対応で…
最近はビデオ喉頭鏡を使う機会が多く、直接喉頭鏡を使用する頻度は激減しました。 直接喉頭鏡とちがって、ビデオ喉頭鏡では喉頭展開は楽勝なことが多いです。 何回か練習した1年目の研修医がやろうが、私がやろうが、 声門を可視化することに関しては大差が…
ERでは、さまざまな困難な病態に遭遇します。 ショック! アシドーシス! 腎不全! …どうする!? (一一") そんなピンチのとき、「炭酸水素ナトリウム(メイロン®)」が頼れる味方になることがあります。 意外と活躍の場は多いですが、使い方には注意が必要…
尿管結石による痛みは、それはもう激痛です!(経験者) 一刻も早く鎮痛をするようにしましょう! でも、なんでもかんでもアセリオ®では芸がなく、 そもそも尿管結石への鎮痛薬としては1st choiceではありません。 かといっていきなりオピオイドをドカンとい…
失神とは突然に発症する一過性の意識消失で、短時間のうちに自然と元の状態に戻ることを指します。 原因として心原性、起立性低血圧、反射性の3つに大きく分類されますが、このなかでも心原性は特に見逃してはならない原因となります。 年齢を含めた背景によ…