病歴/身体所見
・56歳男性
・3日前から悪化している右咽頭痛/頸部腫脹/開口障害
・発熱/悪寒/嚥下時痛/嚥下障害あり
・BP134/87mmHg, HR156bpm, 38.6℃, SpO2 93%
・既往歴は不明
・右頸部に著明な腫脹あり、皮膚の色調不良、皮下気腫を触知した
・舌の位置が盛り上がって高くなっており、口腔底は硬く斑状出血を認めた
検査
・広域抗菌薬が投与された後、CTが実施された
診断
Ludwig's anginaによる壊死性筋膜炎
・Ludwig's anginaは口腔底の軟部組織感染症
◦顎下部が「木のように」硬くなることが特徴的
◦舌の隆起と後方変位、気道閉塞を起こすことがある
・通常は、感染源は歯原性である
・抗菌薬静注と気道確保を要する
→これによりLudwig's anginaによる死亡率を50%から4%に低下させられる
(Tintinalli's Emergency Medicine)
・ただし、壊死性筋膜炎にまで進展すると死亡率は高く22%-40%とされ、迅速なデブリドマンを要する
(Clin Infect Dis. 1995; 21: 51-56./Med Oral Patol Oral Cir Bucal. 2008 Dec 1;13(12):E788-91.)
2日連続のkiller sore throatでした!
見たくない画像ですね。ゴリゴリのkiller sore throatでした。
抗菌薬を入れつつ一刻も早く気道確保とデブリドマンが必要です。
前回のまとめを再掲しておきます。