
心肺蘇生やROSC後の管理に関するガイドラインが、
2025年になんと一気に改訂されました!
JRC、ERC、AHAから出たガイドラインをまとめておきましょう!
※注意点
・これはあくまで「速報」の立ち位置です。今後ガイドラインを読み込んで修正したり加筆したりする可能性があります。
・それぞれ新規の項目と具体的な変更点に重点を置いているため、網羅してあるわけでもありません。
・長いガイドラインを読むのは疲れちゃうけど知っておきたい…そんなときのとっかかりをつけるために使ってください。
気道と換気・酸素化
高度気道確保の戦略と選択
・JRC 2025:全ての状況において、成人の CPR 中にバッグバルブマスク(BVM)換気あるいは高度な気道確保戦略を行うことを提案する(弱い推奨,Grade 2C)。
・JRC 2025:院外心停止(OHCA)で気管挿管(ETI)の成功率が低いのであれば、高度な気道確保戦略に声門上器具(SGA)デバイスの使用を提案する(弱い推奨,Grade 2C)。院内心停止(IHCA)では、SGA デバイスの使用もしくはETIを提案する(弱い推奨,Grade 2D)。
・ERC2025:マスクの密閉性と気道開存性を最適化し、バッグマスク換気を効果的に実施すること。必要に応じて、バッグマスク換気に 2 人法を行うことを検討する。
・ERC 2025:ETI 実施時には、直視下喉頭鏡(DL)よりもビデオ喉頭鏡(VL)の使用が望ましい。
・ERC2025:SGAデバイスでは i-gel をラリンジアルチューブより優先することが強調される。
・ERC2025:気管チューブが食道内に留置されている可能性を除外するには、波形カプノグラフィーで持続的な ETCO 2トレースを使用すること。
・AHA 2025:ETI の正しい位置確認とモニタリングには、臨床評価に加えて連続波形カプノグラフィを推奨する(Class 1)。
緊急前頸部気道確保
・JRC 2025:心停止の成人において、標準的な気道管理戦略が不成功の場合、適切なトレーニングを受けた救助者が輪状甲状靱帯切開を用いて前頸部から気道確保を試みることは理にかなっている(優れた医療慣行)。
CPR中の人工呼吸器管理
・ERC2025:CPR中に人工呼吸器を使用する場合は、胸骨圧迫中に量制御または圧力制御モードを使用し、人工呼吸器の換気量を6~8 mL kgに設定、または目に見える胸の動きを達成できるように設定すること。FiO2 100%、吸気時間1~1.5秒、呼気終末陽圧(PEEP)0~5cmH2O 、ピーク圧アラーム60~70cmH2Oに設定し、吸気トリガーをオフにする。機械的換気が有効であることを確認し、有効でない場合は手動換気を行う。
CPR中の薬物投与
血管確保経路
・JRC 2025:成人の心停止における初回の薬物投与経路として静脈路(IV)を第一選択とすることを提案する(弱い推奨,Grade 2C)。静脈路確保が迅速に行えない場合に、代替手段として骨髄路(IO)を考慮することは理にかなっている(優れた医療慣行)。ILCORが示唆する「2回の試行」という基準は、一般化できる根拠としては不十分である。
・ERC 2025:IV ルートを血管確保の第一選択として使用することを推奨する。 2 回の試行で IV アクセスを迅速に達成できない場合は、成人の心停止時に IO アクセスを血管アクセスの代替ルートとして検討するのが妥当である。
・AHA2025:薬物投与のための血管確保は末梢静脈路が第一選択であるが、IV アクセスが困難または遅れる場合は、骨髄路(IO)アクセスが合理的な代替手段と考えられる。
血管収縮薬 (アドレナリン/バソプレシン)
・JRC 2025:CPR 中にアドレナリンを投与することを推奨する(強い推奨,Grade 1C)。
・JRC 2025:ショック非適応リズムでは、CPR 中にできるだけ早くアドレナリンを投与することを推奨する(強い推奨,Grade 1D)。
・JRC 2025:CPR 中はアドレナリンの代わりにバソプレシンを投与しないこと、およびアドレナリンにバソプレシンを追加しないことを提案する(弱い推奨,Grade 2D)
・ERC 2025:CPR 中にアドレナリンを投与することを強く推奨する。バソプレシンは心停止中に使用しない。
抗不整脈薬 (VF/pVT)
・JRC 2025:ショック抵抗性の VF/pVT にはアミオダロンまたはリドカインの使用を推奨する(弱い推奨,Grade 2C)。
・JRC 2025:成人の難治性 VF/pVT においてアミオダロンの代替治療としてニフェカラントあるいはリドカインの使用を提案する。
・JRC2025:ショック抵抗性の VF/pVT を呈する成人にマグネシウムをルーチンに使用しないことを提案する(弱い推奨,Grade 2D)。
・AHA 2025:アミオダロンおよびリドカインは、プラセボと比較して入院までの生存率を改善したが、退院時生存率には差がなかった。
緩衝液・カルシウム・ステロイドなどのルーチン使用
・JRC 2025:効果がある特別な状況を除き、緩衝液(炭酸水素ナトリウムなど)をルーチンに投与しないことを提案する(OHCA 2C, IHCA 2D)。
・JRC 2025:成人のIHCA・ OHCA では、カルシウムをルーチンに投与しないことを推奨する(強い推奨,Grade 1B,2C)。
・AHA2025:成人のIHCA・OHCAに対して、蘇生中の通常治療に加えてバソプレシンと副腎皮質ステロイド薬の併用をしないことを提案する.(弱い推奨,Grade 2B,C,D)
・ERC 2025:カルシウム、炭酸水素ナトリウム、コルチコステロイドを心停止中にルーチンに投与しないことを推奨する(特定な適応を除く)。
心肺蘇生と電気ショック戦略
自動胸骨圧迫装置 (M-CPR)
・JRC 2025:OHCA および IHCA に対して、用手胸骨圧迫に代えて自動胸骨圧迫装置をルーチンで使用しないことを提案する(OHCA 2C, IHCA 2D)。
・JRC 2025:質の高い用手胸骨圧迫の持続が困難な状況や救助者の安全が損なわれる状況では、代替手段とすることは理にかなっている(優れた医療慣行)。
・ERC 2025:機械的胸骨圧迫は、用手 CPR が非現実的または救助者の安全を損なう場合のみ考慮される。
頭部挙上CPR
・AHA2025:頭部挙上 CPR は、厳格な臨床試験の環境を除き、推奨されない
CPR中の意識回復
・JRC 2025:CPR により ROSC しないまま意識が回復した患者に対し、ごく少量の鎮静薬または鎮痛薬を用いることは理にかなっている(優れた医療慣行)。
・JRC 2025:意識が回復した患者に対し、筋弛緩薬のみを投与しないことは理にかなっている(優れた医療慣行)。
・ERC2025:ROSCがない状態でCPR中に意識がある患者の痛みや苦痛を防ぐために、少量の鎮静薬または鎮痛薬(あるいはその両方)の使用を検討してもよい。筋弛緩薬単独を意識のある患者に投与すべきではない。薬物療法は、重症患者に使用されるものに基づいており、例えば少量のフェンタニル、ケタミン、および/またはミダゾラムを地域のプロトコルに従って使用することができる。
電気ショック戦略
・ERC2025:あらゆる振幅の心室細動(VF)(非常に微細なVFであっても)に対し、直ちに除細動を試みるべきである。
電気ショックの用語
・AHA 2025:「ショック抵抗性 VF」(shock-refractory VF)ではなく「持続性 VF/pVT」(persisting VF/pVT)という用語の使用を提案する。
二重連続電気ショック (DSED) とベクトル変更 (VC)
・JRC 2025:3 回以上の電気ショック後も VF/pVT が持続する成人に対し、DSED(弱い推奨,Grade 2C)またはベクトル変更(VC)考慮することを提案する。
・JRC 2025:DSED は 1 人のオペレーターが 2台の除細動器を連続して(同時ではない)作動させるアプローチが推奨方法である。
・ERC 2025:DSED をルーチンな実施として推奨しない。難治性 VF の場合、代替のパッド位置(例:前後法)の使用を考慮する。
・ERC 2025:正しい前外側パッド位置を確保した上で、代替の除細動パッド位置 (例: 前後方) を使用して除細動ベクトルを変更することを検討する。
・AHA 2025:VCおよびDSEDの有用性は確立されていない。
特殊な状況下の心停止
体外循環補助を用いた CPR (ECPR)
・JRC 2025:従来の CPR で ROSC しない、一定の基準を満たした OHCA および IHCA に対して、実施可能な施設においては ECPR の導入を考慮することを提案する(OHCA 2C, IHCA 2D)。
・ERC 2025:従来の CPR に抵抗性の選択された IHCA および OHCA 患者の救済治療として ECPR を考慮する。
高リスクな呼吸器病原体SARS-CoV-2 (COVID-19) など
・AHA2025:蘇生チームのメンバーは、呼吸器保護具(N-95マスクまたは空気清浄型呼吸器)、目の保護具、手袋、および衣服の汚染防止を含む個人用保護具(PPE)を着用することが推奨される
・AHA2025:ビデオ喉頭鏡の使用は、直接喉頭鏡よりも好ましい
・AHA2025:すべての換気装置には、排気エアロゾルを除去するために高性能粒子空気(HEPA)フィルターを含めることが推奨される。挿管ボックスやその他の即席のバリア装置の使用は推奨されない。
アナフィラキシー
・AHA2025:心停止がアナフィラキシーによるもので、標準的な治療に反応しない場合、体外式膜型人工肺(ECMO)の使用が合理的である場合がある
・AHA2025:標準治療に反応しない症例で、β遮断薬曝露が疑われるアナフィラキシーによる心停止の成人および小児患者に、グルカゴンを投与することが合理的である場合がある
・ERC2025:ルーチンでのコルチコステロイドの使用は推奨されない。抗ヒスタミン薬の投与はアドレナリン投与を遅らせるべきではない。
高カリウム血症
・JRC2025:急性高カリウム血症によると考えられる心停止の治療には,グルコースと併用した静脈内インスリンを提案する(弱い推奨,Grade 2D)
・JRC2025:急性高カリウム血症によると考えられる心停止の治療において,静脈内炭酸水素ナトリウムの使用を推奨あるいは否定するエビデンスは十分でない(エビデンスの確実性:非常に低い)
・JRC2025:急性高カリウム血症によると考えられる心停止の治療において,カルシウムの使用を推奨あるいは否定するエビデンスは十分でない(エビデンスの確実性:非常に低い)
・ERC2025:重度の高カリウム血症でECG変化がある患者には、10%塩化カルシウム10 mL IVを使用する。心停止が難治性または遷延性の場合、反復投与を考慮してよい。
低カリウム血症
・ERC2025:低カリウム血症による心停止(Hypokalaemic cardiac arrest)の場合、静脈内(IV)に塩化カリウム 20 mmol を 2〜3分かけて投与し、その後さらに 10 mmol を 2分かけて追加投与することが推奨される
心停止中のPOCUS(病態検出)
・JRC 2025:心停止の可逆的原因を診断するために、CPR 中に POCUSをルーチンには行わないことを提案する(弱い推奨,Grade 2D)。経験豊富なスタッフが CPR を中断することなく実施できる場合は、特定の可逆的原因の診断を検討することを提案する。
・AHA 2025:経験豊富な専門家が CPR を中断することなく POCUS を実施できる場合に、可逆的原因の診断のために考慮されてもよい。
VAD装着患者の対応
・JRC 2025:VAD装着患者が急性循環不全を呈した場合、デバイス植込み直後でない限り、胸骨圧迫を行うことは理にかなっている(優れた医療慣行)。遅延を最小限にしつつ、デバイスに起因する可逆的な原因を評価することは理にかなっている。
・AHA2025:LVADを装着した意識不明で灌流障害のある成人および小児患者では、胸骨圧迫を行うことが推奨される。
・ERC2025:意識のないLVAD患者に対して直ちに専門チームを活性化し、可能であればデバイス機能の回復を試みながらCPRを開始する。単独の救助者の場合、デバイス回復を試みるためにCPRを最大2分遅らせることを検討してよい。
肺血栓塞栓症 (PE)
・JRC 2025:PE が疑われる場合は、血栓溶解薬を投与することを提案する(弱い推奨,Grade 2D)。PE が明らかな場合は、血栓溶解薬の投与、外科的塞栓除去術、もしくは経皮的機械的塞栓除去術を行うことを推奨する(弱い推奨,Grade 2D)。
・AHA 2025:PE が確認または高度に疑われる CA に対し、フィブリン溶解療法を推奨する(Class 1)。
・ERC2025:非特異的ではあるが、質の高い胸骨圧迫を行っている際の低いETCO2値(<13 mmHg)は、PEの診断を支持する可能性がある。
・ERC2025:肺塞栓症が疑われる心停止に対しては、線溶薬を使用する。また、従来のCPRが失敗している選択された患者の救命治療としてECPRを検討する。
オピオイド関連心停止
・JRC 2025/ERC 2025:オピオイド中毒による心停止患者の二次救命処置において、標準的蘇生に加えてナロキソンなどの特異的治療を加えることを推奨するエビデンスは不十分である。
・AHA 2025:蘇生を遅延させない限り、ナロキソン投与は考慮されてもよい。
中毒関連
・AHA2025: β遮断薬中毒による生命を脅かす血圧低下に対し、高用量インスリンまたは血糖正常化療法を投与することが推奨される。
・AHA2025:シアン化物中毒の成人および小児患者には、ヒドロキソコバラミンを投与することが推奨される。
・AHA2025:コカイン中毒または交感神経刺激薬中毒による生命を脅かす高体温症(中心体温 >40°C)に対し、氷水浸漬による急速な外部冷却が推奨される。
妊娠中の心停止
・JRC 2025:妊娠 20 週以降の患者は左側臥位にし、ROSCがなければ4分以内に PMCD(開腹心臓マッサージ)を考慮する。
・AHA 2025:妊娠 20 週以降の患者は子宮を左方に変位させる(Class 1)。ROSC がなければ、4分以内に死戦期帝王切開 の実施を考慮する(Class 2a/C-LD)。心停止が認識された時点から準備を開始し、5分以内に分娩を完了させることを目標とすべき。
・ERC2025:大動脈下大静脈圧迫を可能な限り早期に解除し、蘇生中維持すること。その際には手動の左子宮変位が推奨される。ROSCがない場合、蘇生のための子宮切開の準備を直ちに開始すること。
・ERC2025:妊産婦特有の可逆的原因(4つのP):子癇前症/子癇、産褥期敗血症、胎盤/子宮の問題、周産期心筋症を体系的に扱う。
溺水
・ERC2025:換気5回から開始し、その後標準的なCPRプロトコルを続ける
低体温
・AHA2025:生命を脅かす環境性低体温症(中心体温 <30°C)による心停止の成人および小児患者において、ECLS(体外式生命維持)による再加温は合理的である
・AHA2025:低体温症の成人および小児患者で、心停止がある場合、除細動を1回試み、不成功の場合は中心体温が 30度以上になるまで更なる除細動を延期することが合理的である場合がある。
・AHA2025:心停止中の低体温症の成人および小児患者において、中心体温が 30度以上になるまでエピネフリンの投与を延期することが合理的である場合がある。
・AHA2025:ECLS能力を持つ施設まで6時間以内に搬送可能であれば、搬送することが合理的である場合がある。
・ERC2025:心室細動(VF)が3回のショック後に持続する場合、深部体温が30℃を超えるまでさらなる除細動の試みを遅らせる。
・ERC2025:アドレナリンは蓄積する可能性があり、有益な効果よりも有害な影響をもたらす可能性がある。ROSCを促すためIVアドレナリンを1 mg 1回投与することを検討するのは合理的である。
・ERC2025:深部体温<30度;深部体温が30度に温められるまで、アドレナリンを含む他のCPR薬剤の投与を見合わせる、深部体温 30度~35度の場合;アドレナリンの投与間隔を6〜10分に延長する。深部体温が35度を超える場合;正常体温と同様に、標準的な薬剤プロトコルを使用する。
・ERC2025:心停止した低体温症患者の再加温には、VA-ECMOを使用する。ECLSセンターに合理的な時間(例:6時間)以内に到達できない場合は、非体外式生命維持再加温を開始する。
※特に低体温のときのマネジメントは、AHAで立場が変わっています。
詳細は以下に解説しています👇
高体温
・AHA2025:生命を脅かす高体温症の成人および小児患者は、標準的な蘇生努力と並行して急速冷却を開始することが推奨される。急速冷却は、氷水浸漬(1~5℃)で少なくとも 0.15度/分で行うことが合理的である。
外傷性心停止
・AHA 2025:大量出血を伴う外傷患者に対し、トラネキサム酸(TXA)を早期に投与することを推奨する(Class 1)。
・ERC2025:可逆的な原因(出血制御、気道管理、胸部減圧など)の早期かつ積極的な管理を優先し、胸骨圧迫よりも優先順位を高くする。
カテ室における心停止
・JRC2025: 冠動脈カテーテル検査中に心停止を生じた患者に対して初期治療が奏効しない場合は,緊急処置として体外循環補助(ECPR)を提案する(弱い推奨,Grade 2D)
・ERC2025:ショック可能なリズムの場合、3連続ショックを適用する。極度の徐脈/心静止に対しては、体外式または経静脈一時ペーシングを考慮する。
手術室における心停止
・ERC2025:適切な介入にもかかわらず、収縮期血圧が突然50 mmHg未満に低下した場合、ETCO2の低下と関連して胸骨圧迫を開始する。
・ERC2025:周術期心停止に対し、初期のIVアドレナリン投与量を少なくし、漸増投与を推奨する。
・ERC2025:訓練を受けた医療専門家は、ECPRが利用できない場合に開胸心臓マッサージを考慮する。
心臓術後の心停止
・ERC2025:VF/pVTには最大3連続ショックを適用する。ROSCがない場合、術後10日以内であれば5分以内に再開胸を行う。
腹臥位患者に対するCPR
・JRC2025:確実な気道確保がまだ行われていない状態で腹臥位にある時に心停止が発生した場合,できるだけ早く患者を仰臥位にし,CPRを開始することを推奨する(強い推奨,Grade 1D)
・JRC2025:すでに確実な気道確保が行われている状態で腹臥位にあるときに心停止が発生し,すぐに仰臥位にすることが不可能であるか,患者に重大な危険をもたらす場合,患者が腹臥位のままで CPRを開始することは理にかなっている(優れた医療慣行に関する記述)
・JRC2025:観血的動脈圧モニタリングと持続的 ETCO2モニタリングは,腹臥位での圧迫による適切な灌流の確認に役立つ可能性があり,患者を仰臥位にする最適なタイミングを判断する指標とすることは理にかなっている(優れた医療慣行に関する記述)
・JRC2025:心停止でショック適応リズムの場合で,すぐに仰臥位にできない時には,腹臥位のまま電気ショックを試みることは理にかなっている(優れた医療慣行に関する記述)
漏斗胸
・ERC2025:胸骨圧迫の深さを3〜4 cmに減らすことを検討する。除細動には、標準エネルギーを用いて前後配置(anteroposterior pad placement)を推奨する。
ROSC後の集中治療

ERC2025のガイドラインは、ERでのROSC→ICUまでの導線がわかりやすく図示してあります。

ROSC後の酸素およびCO₂目標値
・JRC 2025:動脈血酸素飽和度または動脈血酸素分圧が確実に測定できるまでは、100%吸入酸素の使用を推奨する(強い推奨,Grade 1B/1C)。
・JRC 2025:ROSC後、低酸素血症を避けることを推奨する(強い推奨,Grade 1D)。測定後は高酸素血症を回避することを提案する(弱い推奨,Grade 2C)。
・JRC 2025:PaCO₂の目標値は35~45 mmHgとすることを提案する(弱い推奨,Grade 2B)。
・ERC2025:ROSC直後は、SpO2が確実に測定できるまで、100%(または利用可能な最大)の吸入酸素を使用する。
・ERC2025:SpO2が測定可能になり次第、酸素を滴定し、目標とするSpO2は94〜98%、または動脈血酸素分圧(PaO2)は75〜100 mmHgとし、低酸素血症を避ける。
・ERC2025:人工呼吸器管理中の患者では、正常炭酸ガス血症(PaCO2 35–45 mmHg)を目標とする。肺保護換気戦略(一回換気量 6–8 mL/kg 理想体重)を使用する。
・AHA2025:ROSC後の成人患者において、Spo2またはPao2が確実に測定できるまで、100%の吸入酸素を使用することが推奨される(COR 1, LOE B-R)。
・AHA2025:ROSC後の成人患者において、低酸素血症は避けるべきである(COR 1, LOE B-NR)。
・AHA2025:酸素飽和度の信頼できる測定が可能になったら、ROSC後の成人患者において、Fio2を調節し、酸素飽和度90%から98%(Pao2 60~105 mmHg)を目標とすることにより、高酸素血症と低酸素血症を避けることが合理的である場合がある(COR 2a, LOE B-R)。
・AHA2025:ROSC後も昏睡状態にある成人患者では、Paco2を正常な生理的範囲内(概ね35~45 mmHg)に維持すべきである(COR 1, LOE B-R)
ROSC後の循環動態(MAP)目標
・JRC 2025:ROSC 後の平均動脈圧(MAP)を少なくとも 60~65 mmHg に保つことを提案する(OHCA 2C, IHCA 2D)。ROSC 後の特定の平均動脈圧目標値(71mmHg以上)を推奨するには科学的根拠が不十分である。
・JRC2025:ROSC 後のショック治療において,特定の血管収縮薬を推奨できるだけの十分なエビデンスは存在しない
・ERC2025:MAP> 60–65 mmHgを目標とする。
・AHA2025:ROSC後の成人患者では、MAPを最低65 mmHg以上に維持することにより、低血圧を避ける必要がある。
・AHA2025:心停止後の成人患者の低血圧を治療するための特定の血管作動薬を推奨する十分なエビデンスはない(COR 2b, LOE B-NR)
ROSC 後の補助循環装置の使用
・JRC2025:心停止後に ROSC した心原性ショックを呈する患者に対して,補助循環装置をルーチンには使用しないことを提案する(弱い推奨,Grade 2C)。補助循環装置の使用を導入可能な環境においては,厳選された症例に対して補助循環装置の使用を考慮することを提案する(弱い推奨,Grade 2C)。
・ERC2025:持続する心原性ショックの選択された患者(例:GCSスコア8、ST-STEMI、心停止時間10分未満)には、機械的循環補助(MCS)(IABP、LVAD、VA-ECMOなど)を検討する。
・AHA2025:心停止およびROSC後の心原性ショックの成人患者には、一時的なMCSをルーチンに使用すべきではない。ただし、難治性CSの厳選された成人患者には、一時的なMCSを考慮してもよい場合がある。
体温管理 (TTM) と発熱予防
・JRC 2025:ROSC 後も昏睡状態が続く患者に対し、37.5℃以下を目標に積極的に発熱を予防することを提案する(弱い推奨,Grade 2C)。
・JRC 2025:32~36℃の体温管理療法を症例の背景に応じて選択することは理にかなっている(優れた医療慣行)。
・JRC 2025:ROSC直後に大量の冷却輸液を迅速に投与する院外冷却のルーチン使用は推奨しない(強い推奨)。
・JRC2025:ROSC 後に軽度の低体温となった昏睡患者を正常体温まで積極的加温をしないことは理にかなっている(優れた医療慣行に関する記述).
・JRC2025:心停止後に昏睡状態が持続する患者に対しては,36~72 時間の発熱予防を積極的に行うことは理にかなっている(優れた医療慣行に関する記述)
・JRC2025:発熱予防のみを目的とした体温管理療法では,低体温療法と比較して,体温管理の質が低下する恐れがあるため,発熱予防でも適切な冷却方法を選択するのが望ましい(優れた医療慣行に関する記述)
・AHA 2025:昏睡状態が続く患者に TTM を実施することを推奨する(Class 1)。目標温度は 32℃~37.5℃である。体温管理を少なくとも36時間維持することが妥当である。
・ERC2025:ROSC後昏睡が続く患者に対して、体温37.5℃以下を目標に積極的に発熱を予防する。発熱予防はROSC後、昏睡が続く患者に対して36〜72時間行う。
・ERC2025:軽度の低体温(32~36℃)の患者を積極的に温めて正常体温にすべきではない。
冠動脈造影 (CAG) と PCI
・JRC 2025:ST上昇を認めない心原性が疑われる ROSC後の昏睡患者に対し、6時間以内あるいは遅くとも 24時間以内にCAGを実施し、適応があれば PCI を行うことは合理的であると提案する(弱い推奨,Grade 2C)。
・JRC 2025:ST 上昇を伴う ROSC 後の昏睡状態の患者には、緊急または早期の CAG を行う(優れた医療慣行)。
・AHA2025:心原性が疑われる心停止患者すべてに対し、ECG上で持続的なST上昇がある場合、昏睡の有無にかかわらず、緊急の冠動脈造影を実施すべきである(COR 1, LOE B-NR)
・AHA 2025:ST上昇を認めない OHCA 患者に対し、ルーチンで緊急 CAGを行うべきではないことを推奨する。
・AHA2025:心原性が疑われる心停止後の厳選された成人患者で、ECG上のST上昇がない場合でも、心原性ショック(CS)、再発性心室性不整脈、または有意な進行中の心筋虚血の証拠がある場合には、昏睡の有無にかかわらず、緊急冠動脈造影が合理的である場合がある(COR 2a, LOE B-NR)
・AHA2025:心原性が疑われる心停止生存成人患者(特に初回リズムが除細動可能であった場合、原因不明の左心室収縮機能不全がある場合、または重度の心筋虚血の証拠がある場合)には、退院前に冠動脈造影が推奨する。
・ERC2025:ROSC後のECGでST上昇がある患者には、直ちに冠動脈造影(PCIが必要なら実施)を診断から120分以内に行う。
・ERC2025:ROSC後のECGでST上昇がない安定した患者に対しては、ルーチンな緊急/早期冠動脈造影は推奨されず、遅らせることが許容される。
CT
・AHA2025:心停止の原因検索と合併症の検索を目的に頭部~骨盤部CTを実施することは合理的である。
・ERC2025:心停止後で昏睡状態、ECGでST上昇がなく、明らかな心臓原因の所見がない患者では、冠動脈造影の要否を判断する前に、治療可能な原因(肺塞栓や出血など)を特定するため直ちに全身CTを行うことを推奨する。
てんかん予防と治療
・JRC 2025:ROSC 後の成人患者に、抗てんかん薬を予防的に投与しないことを提案する(弱い推奨,Grade 2D)。
・JRC2025:ROSC 後の成人昏患患者では,発作間欠期連続体(IIC)の範疇にある律動的・周期的脳波パターンを呈する場合も治療を提案する(弱い推奨,Grade 2C)
・ERC2025:けいれんの治療には、第一選択の抗てんかん薬としてレベチラセタムまたはバルプロ酸ナトリウムを使用する。けいれんの予防的投薬はルーチンで行わない。
・ERC 2025:ROSC 後の成人昏睡患者では、発作間欠期連続体(IIC)の範疇にある律動的・周期的脳波パターンを呈する場合も治療を提案する(弱い推奨,Grade 2C)。
・AHA2025: ROSC後も指示に従わない成人患者において、発作の診断のために迅速なEEGの実施と解釈が推奨される(COR 1, LOE C-LD)。臨床的に明らかな発作は治療が推奨される(COR 1, LOE C-LD)。非痙攣性発作(EEGのみで診断される)の治療は合理的である場合がある(COR 2a, LOE B-R)。他の病因による発作の治療に使用されるものと同じ抗てんかん薬が考慮されてもよい場合がある(COR 2b, LOE C-LD)。EEGパターンが ictal-interictal continuum にある場合、非鎮静性の抗てんかん薬による治療的試験を行うことが合理的である場合がある(COR 2b, LOE C-EO)。
・AHA2025:ROSC後も指示に従わない成人患者におけるルーチンな発作予防は推奨されない(COR 3: No Benefit, LOE B-R)
・AHA2025:EEGに相関のないミオクローヌスを抑制するための治療は、心停止生存成人患者には推奨されない。
神経保護薬/予防的抗菌薬/PPIなど
・JRC 2025:ROSC 後の昏睡患者に対して、特定の薬物療法(神経保護薬)を推奨できるだけの十分なエビデンスは存在しない。
・JRC 2025:ROSC 後の患者に対する予防的抗菌薬投与を行わないことを提案する(弱い推奨,Grade 2C)。
・ERC2025:ROSC後の患者に予防的な抗生物質をルーチンで使用することは推奨されないが、肺炎の臨床的疑いがある場合は投与を検討する閾値を低く保つことが合理的である。
・ERC2025:短時間作用型の鎮静剤を使用し、毎日の鎮静中断(daily sedation holds)を実施する。これは、神経学的回復の評価を目的とした臨床検査を、鎮静の影響を受けにくくするためである。ルーチンでの神経筋遮断薬の系統的な使用は推奨しない。
・ERC2025:上部消化管潰瘍の発生率が高いこと、抗凝固薬/抗血小板薬の使用を考慮し、特に凝固障害がある患者にはストレス潰瘍予防を実施する。
・AHA2025: ROSC後の成人患者における予防的抗生物質のルーチン使用は、有益性が不確実である(COR 2b, LOE B-R)。
・AHA2025:ROSC後も昏睡状態にある成人患者に対し、神経学的損傷を軽減するための薬剤の有効性は不確実である(COR 2b, LOE B-R)
ステロイド投与
・JRC2025:OSC 後のコルチコステロイド投与の効果について,それを推奨あるいは否定するエビデンスは十分でない
・AHA2025: ROSC後のショックを呈する成人患者に対し、ステロイドのルーチン使用は価値が不確実である(COR 2b, LOE B-R)
血糖管理
・JRC2025:ROSC 後の成人患者に対して,標準的血糖管理プロトコルを変更しないことを提案する(弱い推奨,Grade 2B)
・AHA2025:心停止およびROSC後の成人患者に対し、低血糖(グルコース <70 mg/dL)および高血糖(グルコース >180 mg/dL)を避けることが合理的である場合がある(COR 2b, LOE B-NR)
予後評価と回復


予後評価の一般原則
・JRC 2025:神経学的転帰不良の予測では常に多角的アプローチを用いることを推奨する(強い推奨,Grade 1D)。
転帰不良の予測
・JRC 2025:ROSC 後 72時間以降に対光反射、定量的瞳孔径測定、両側の角膜反射の消失を用いることを提案する(弱い推奨,Grade 2D)。
・JRC 2025:ROSC 後 72 時間以内のNSEを、他の検査と組み合わせて用いることを提案する(弱い推奨,Grade 2D)。
・JRC2025:成人の ROSC 後の昏睡状態に対して,神経学的転帰不良を予測するには,ROSC 後 7 日以内のミオクローヌスまたはミオクローヌス重積状態の出現を他の検査と組み合わせて用いることを提案する(弱い推奨,Grade 2D)。ミオクローヌス様の運動があれば,関連するてんかん型活動を検知するために,脳波を記録することを提案する(弱い推奨,Grade 2D)。
・JRC2025:成人の ROSC 後の昏睡状態に対して,神経学的転帰不良を予測するには,短潜時体性感覚誘発電位(SSEP)の N20 波の両側消失を,別の指標と組み合わせて用いることを提案する(弱い推奨,Grade 2D)
・JRC2025:成人の ROSC 後の昏睡状態に対して,神経学的転帰不良を予測するには,短潜時体性感覚誘発電位(SSEP)の N20 波の両側消失を別の指標と組み合わせて用いること、脳波上のてんかん様活動の存在を用いることを提案する(弱い推奨,Grade 2D)。
・JRC2025:成人の ROSC 後の昏睡状態に対して,神経学的転帰不良を背景脳波活動の反応性消失のみで予測しないことを提案する(弱い推奨,エビデンスの確実性:非常に低い,Grade 2D).
・JRC2025:頭部 CTにおける灰白質-白質 CT値比(GWR) 脳 MRI で拡散強調画像(DWI)、脳 MRI でのADCを,神経学的転帰不良の予測に用いることを提案する(弱い推奨,Grade 2D)。
・AHA2025:心停止後も昏睡状態にある成人患者において、正常体温に戻り鎮静薬が中止されてから少なくとも72時間後に、マルチモーダルな予後評価の解釈を統合することが合理的である場合がある(COR 2a, LOE B-NR)
・AHA2025:昏睡状態の患者において、心停止後72時間以内にNSE高値が、他の予後検査と組み合わせて行われた場合、不良な神経学的予後を裏付けるために考慮するのが妥当である可能性がある。
・ERC2025:主要な交絡因子が除外された状態で、ROSCから72時間以降に昏睡状態にある患者(覚醒しておらず、指示に従わない M < 6 の患者)において、以下の2つ以上の予後不良予測因子が存在する場合、予後不良の可能性が非常に高い。
両側の対光反射の消失 および 角膜反射の消失(72時間以降)
両側の体性感覚誘発電位(SSEP)N20波の消失(24時間)
高度に悪性なEEGパターン(抑制された基礎律動、周期性放電を伴う抑制、またはバーストサプレッション)(24時間以降)
NSE >60 µg/L(48時間 および/または 72時間)
Status Myoclonus (連続的かつ全身性のミオクローヌスが30分以上持続)(72時間以内)
脳CT/MRIにおけるびまん性かつ広範な低酸素性虚血性脳損傷の所見(CT:72~96日、MRI:2~7日)
転帰良好の予測
・JRC 2025:心停止後 4 日以内に GCS 運動スコア>3 を評価すること、ROSC から 72 時間以内のNSE が正常値(<17 μg/L)であることを、他の検査法と組み合わせて用いることを提案する(弱い推奨,Grade 2D)。
・JRC 2025:ROSC から 72 時間~7 日の間の MRI DWI で拡散制限領域がみられないことを、他の検査法と組み合わせて用いることを提案する(弱い推奨,Grade 2D)。
・AHA2025:Glasgow Coma Motor subscoresの4または5の反応に相当する場合には良好な予後の予測を裏付けると考えるのは合理的である。
・AHA2025:瞳孔対光反射や角膜反射、 定量的な瞳孔測定(Quantitative pupillometry)の良好な予後予測への有用性は、十分に確立されていない。
・AHA2025:心停止後72時間以内に測定されたNSEの正常レベル(<17 μg/L)を、他の予後検査と組み合わせて評価した場合、良好な神経学的予後を裏付けるために考慮するのが合理的である場合がある。
・AHA2025: 心停止後72時間以内に、放電(discharges)を伴わない連続的なEEG基底活動(continuous EEG background without discharges)を、他の予後検査と組み合わせて評価した場合、良好な神経学的予後の予測を裏付けるために考慮するのが合理的である場合がある
・AHA2025:SSEP後のN20波の振幅の良好な予後の予測を裏付けるための有用性は、十分に確立されていない。
・AHA2025:心停止後2~7日後の脳MRIにおいて、拡散制限(restricted diffusion)の欠如を、他の予後検査と組み合わせて考慮するのが、良好な神経学的予後の予測を裏付けるために合理的である場合がある。
・AHA2025:良好な予後の予測を裏付けるためのCTでの灰白質-白質比(GWR)の有用性は、十分に確立されていない。GWRが1.38(正常脳のGWR中央値)の患者が意識を回復したという知見はあるが、予測のための理想的な閾値や算出方法は不明である。
蘇生中止(TOR)
・AHA 2025:ETCO₂は単独で蘇生中止の指標として使用すべきではない。
・AHA2025:挿管された成人患者において、20分間のALS蘇生後も波形カプノグラフィーで呼気終末二酸化炭素(ETCO2)が 10 mmHg を超えない場合は、蘇生努力を終了するかどうかを決定するためのマルチモーダルなアプローチの構成要素として考慮される場合はある。
・AHA2025: 非挿管の成人患者において、CPR中のいかなる時点でも、特定のETCO2カットオフ値を蘇生努力終了の目安として使用することは推奨されない。
・ERC 2025:IHCA の蘇生中止には、TOR ルールを単一の戦略として使用すべきではない。
臓器提供
・JRC 2025:CPR のあとに循環が回復したものの、そのまま死に至ることが予見される全ての患者に対し、臓器の提供について評価することを推奨する(強い推奨,Grade 1C)。
・ERC2025:蘇生後に死亡に至った全ての患者は、臓器提供の評価を受けるべきである。
・AHA2025:心停止から蘇生され、神経学的基準で死亡(脳死)と判断された成人患者すべてにおいて、臓器提供が考慮されるべきである(COR 1, LOE B-NR)
回復期のケア
・AHA 2025:心停止生存者は、医学的および心理社会的評価を含む包括的なフォローアップを受けるべきである(Class 1)。心臓リハビリテーションは、心原性 CA 生存者に対して推奨される(Class 1)。心停止生存者とその介護者は、医学的に安定し退院する前に、情緒的苦痛に対する構造化された評価と治療/紹介を受けることが推奨される。
・ERC2025:入院中に早期の運動、せん妄管理、ICUダイアリーを導入する。退院前に身体的および非身体的障害の機能評価を実施し、リハビリテーションの必要性を特定しておくこと。心停止の原因に応じて心臓リハビリテーションを提供する。心停止生存者に対し、退院後3ヶ月以内にフォローアップを組織し、認知機能、身体的、感情的な問題、疲労、および生活役割への影響についてスクリーニングを行う。家族などをフォローアップに招待し、感情的な問題や生活役割への影響について尋ねることに強い焦点が置かれている。