喘息急性増悪(発作というほうがしっくりきますケド)が増えているような気がします。
季節がそうさせているのか、他になにか原因があるのかはわかりません。
まずは型どおりのマネジメントができることが重要です。
急性増悪患者の8割くらいは、簡単な初期対応だけでなんとかなります。
以下にまとめてありますので、ご覧ください。
遭遇頻度が減ってきている疾患なので、久しぶりだと忘れていることも多いかもしれません( ゚Д゚)
とりあえずβ刺激薬吸入を複数回やって、ステロイド投与したけどあまり改善なし…。
全然治療がうまくいかなくて、
「挿管しちまうか⁉」な瀬戸際に立たされる患者さんもそれなりにいます。
そんな中等症~重症の喘息急性増悪に使える強い味方がケタミンです。
気管挿管を避けたい!
喘息に気管挿管をするか否かはとてもナイーブな問題です。
気管挿管をすることで、合併症発生率や死亡率が上昇することが知られます。
気管挿管されてICUに入室した患者の死亡率は20%にも及ぶという報告があります。
人工呼吸器管理が難しいですもんね。
気管挿管のコツ
それに気管挿管自体にも少しコツが必要になります。
コツ➀ 太いチューブを使用する
チューブは気道抵抗を減らすために、なるべく太径のものを使用します。
(目標は8.0mm以上)
あんまり細いチューブを使ってしまうと、粘液栓による内径狭窄や時定数が高くなることなども相まって、不利な管理を強いられることになります。
研究によっては、チューブサイズを1mm太くすることで死亡のoddsが2倍低くなると報告しているものもあります。
ケタミンの使い方
・難治性喘息に対して1.5mg/kg-2mg/kg静注または4.8mg/kg筋注
・重症小児喘息増悪に対して、ERで1mg/kg吸入で投与
‣ケタミン投与後すぐに呼吸状態が改善したと報告
・ケタミン1mg/kg静注後、2.4mg/kg/hrで8時間持続静注
‣重症度の改善と呼吸数の改善が得られたというcase series
・0.4-0.5mg/kg bolus後、30分の短時間点滴を行う方法とプラセボを比較
‣ケタミン使用群でピークフローが有意に改善
‣ただし、0.3mg/kgのbolusではプラセボと有意な差はなかった
・小児および成人の重症喘息で非挿管患者を対象としたRCT
‣0.2mg/kg静注後に0.5mg/kg/hrでの持続静注
‣改善の度合いには有意差なし
まとめ
・気管支喘息急性増悪のマネジメントを確認しておこう
重症喘息発作への対応(Am J Emerg Med. 2020;S0735-6757(20)30171-6.) - りんごの街の救急医
・喘息への気管挿管はなるべく避けたい!
‣0.1-0.5mg静注 → 0.5mg/kg/hrで2時間程度点滴静注