病歴/身体所見
・20歳男性
・口腔および陰部潰瘍、排尿障害、結膜充血、腹部違和感のためER受診
・上気道炎に続発して上記症状が出現し、40度の発熱もあったと話す
・13年間にわたり、粘膜潰瘍/眼球結膜充血/流涙/発熱のエピソードが18カ月ごとに認められていたという
疼痛を伴う口腔内潰瘍
陰部潰瘍
右眼強膜/結膜充血。強膜炎の所見。
診断
Behçet's disease
・原因はあらゆる径の動静脈への自己免疫性血管炎であると考えられている
(Ocul Immunol Inflamm. 2012 Oct;20(5):324-35.)
・全身性血管炎の存在で診断がされる
◦目…ぶどう膜炎/網膜血管炎など
・全身症状がない場合、再発性口腔潰瘍かつ以下の2項目を満たすことで診断される
◦再発性陰部潰瘍
◦眼病変
◦皮膚病変
◦病理学的所見が合致する
(Lancet. 1990 May 5;335(8697):1078-80.)
※日本での診断基準は以下
(N Engl J Med. 2019 Nov 14;381(20):1918-1928.)
救急医は苦手な分野です(少なくとも私は(-_-;))
多彩な臨床像をとる疾患のひとつです。
まとめ
・口腔潰瘍/陰部潰瘍/眼病変など、様々な部位に再発する血管炎のようなエピソードを呈する患者ではベーチェット病を疑う