妊婦/産褥婦の高血圧は高齢者のそれとは対応が全く異なります。
子癇発作を起こさせないことが目標になり、いろいろ緊急対応を迫られます。
ACOG(American College of Obstetricians and Gynecologists)からのガイドラインまとめを見つけました。
(Obstet Gynecol. 2019 Feb;133(2):409-412.)
そんなにあることではないですが、絶対知っておかなければならないことです!
・子癇前症/子癇への対応ガイドラインを遵守することで出産時/産後の合併症を低下させることができる
・妊婦または褥婦に急性発症かつ重度の収縮期or拡張期血圧上昇(>160/110mmHg)が認められた場合には緊急の降圧を要する
・上記症例に関しては綿密なモニタリングを要する
・初期安定後には血圧を継続的にモニタリングし、必要に応じて維持降圧療法を実施する
・Intravenous (IV) labetalol and hydralazineが推奨されるfirst line therapyである
・ルート確保ができないときには短時間作用型nifedipine経口投与もfirst lineと考えてよい
・上記薬剤でまれに降圧が失敗に終わることがあるが、その場合には集中治療医を含むチームと相談して方針を決定する
・硫酸マグネシウムは降圧療法として推奨はされていない
◦妊婦/褥婦の急性発症かつ重度の収縮期or拡張期血圧上昇において、子癇発作を予防する効果がある
→投与を遅らせるべきではない。全例で投与!
このまとめ、使い方も詳しく載っていてとてもわかりやすかったです。
※当院にはlabetalol/hydralazineの静注薬はありませんでした。
ニフェジピンカプセルで攻めるしかない…!
よく使うようなニカルジピンはだめなんでしょうか…?
妊婦の高血圧は絶対マークしましょう!