はじめまして、「りんごの街の救急医」です!
初回の投稿になります。
今回は自己紹介となぜブログをはじめようと思ったか書いてみます。
今後up予定の日々の勉強内容についても紹介しておこうと思います。
自己紹介
2013年某国立大学医学部卒業、
色々な施設での研修を経て、2019年1月1日をもって救急科専門医に認定されました。
現在、「りんごの街」弘前市の病院で救急医として働いています。
出身は関東でしたが、流れに流れた北の地が意外にも居心地がよく感じてしまっています(雪が降ると嬉しいという感覚はなくなりましたが…)。
専門医ではありますが、日々是勉強、まだまだ修行中です。
主に救急外来で急性疾患の患者さんたちを診ていますが、
在宅診療や少数ですが病棟での入院管理も行っています。
全然関係ありませんが、なぜかアロマ検定1級(AEAJ)も持っています。
以前、上司にそそのかされて取得しましたがあまり資格の使い方がわかりません。
でも、だいぶアロマについては詳しくなり、匂いがヒトに及ぼす影響は大きいと感じています。
実際、結構日常生活に応用できている気もします。
なぜブログをはじめようとおもったのか?
理由は以下の3点に集約されると思います。
- Inputした知識をoutputしたい!
- 成長を実感したい!
- いろいろな人と議論がしたい!
まぁ、つまりは自己研鑽のためです!
ちょっと長めの前置きになりますが…
救急外来は軽傷から重症まで、本当に幅広い疾患が経験できます。
それだけにカバーしなければならない疾患は非常に多岐に渡るので、日々の勉強は必須です、終わりはありません。
さらに救急医療の一つの特色かと思いますが、知識の引き出しを持っておいて「すぐに」使えるということが非常に重要です。
もちろん、わからないことはその場で調べるという行為は日々しています。
ただ、救急外来は非常に多くの患者が訪れます。
時間帯によっては、その最大瞬間風速が凄まじすぎて脊髄反射でないと対応できないくらい大勢の患者さんが受診することもあります。
そういう意味で、一人診るたびにつまずいて時間をかけて対応を調べたりしているような時間的余裕はありませんし、
それをしていては他の患者さんへ割く時間が相対的に短くなり、重症患者への対応も遅れてしまう可能性が出てきます。
よって、他科に比較して、知識の引き出しを持っておいて「すぐに」使える能力が要求される科が救急科なのではないかと思います。
勉強の仕方にはjust in time learningとjust in case learningがあるとされています。
just in time learningとは、その場で困っている問題について勉強することを指します。
これは医師ならだれでも、おそらく毎日していることだと思います。
髄膜炎に対する抗菌薬ってempiricになにを使うんだっけ?
腸炎に整腸剤投与するといいことあるの?
シートベルト痕ある外傷患者は全例CT必要か?
など、日々の疑問について勉強することです。
これって入院患者ならそれなりに時間があるのでじっくり調べればいいと思いますが、救急外来では1分程度、せいぜい5分で答えが出るようでないと話になりません。
それ以上時間がかかるのであればいったん保留しといて患者が全て捌けてから調べるみたいなことが多いです。
大事なスキル、勉強法ですが救急医にとってはなかなか困難です。
この勉強法を行使する必要はありますが、知識の引き出しを持っておいた方がよっぽどはやいし実践的です。
そこで、just in case learningが救急医にとってはより大事なのではないかと思う側面があります。
これは、将来的に出会うであろう問題について勉強しておくことを指します。
特にreview articleなどに目を通して主要な疾患のbackgroundについて知っておくとか、上記のような疑問を普段から持っておいて論文を蓄えておくとか、そういうことです。
備えあれば憂いなし、ってことで救急医は特にこっちが大切なんじゃないかと思う今日この頃です。
inputした知識をoutputしたい!
ということで、結構好んでreview articleとか中心に読んで知識を蓄えてはいるんです。
…EvernoteやDropboxに知識を詰め込んで、第2の脳に蓄えてはいるんですが…
(いや、むしろ脳そのものと言えるかもしれないが)
input中心では、切迫した状況のときになかなか思い出せません!
何か調べて、「ほ~ん」と感じて終わり、またそのときが来れば思い出せるだろ…ということは年齢的に少し難しくなっています。
完全忘却の彼方に消えてしまうんです。
そこで、outputが重要になります!
そのoutputの場をこのブログ上にしたい!というのがブログを始めた一番大きな理由です。
何か新しい知識をinputして、頭の中で整理して、ここでoutputするという流れができれば定着率は上昇するのでは、と考えました。
成長を実感したい!
救急科専門医をとるくらいになると、「対応できないことはあんまない」気がしてきてしまうのですが、よく考えるとそうでもありません。
まだ修行不足でわからないことがたくさんあります。
「うわ~、まじか。こんなことあんのかよ。」
こんな事態、いまだによく遭遇します。あまり成長していないのかなとも錯覚してしまします。
初期研修医から後期研修医になった頃ほど成長が実感できません。
成長はしていないなんてことはないでしょうが、それが目に見える形ではなかなかないものです。
ブログを更新して、過去を振り返ることができれば、「あの頃はこれも知らなかったのか~」と振り返って前向きになれることもあるのではと期待しています。
いろいろな人と議論がしたい!
これについてはだいぶ先の話になりそうですが…
できれば院内外の方に見ていただいて、議論が起これば一番いいかなと思っています。
人とのつながりもできる可能性があります。
閉鎖環境にだけいると井の中の蛙、どんどん置いてかれちゃうしそれにも気づけないと患者に不利益が生じます。
研修医の教育にも悪影響です。
自分以外の医療従事者がどのように考えて診療しているのかを知ることができるのはとても貴重な体験になることでしょう。
そこまで読まれるブログになるかは不明ですが、自己研鑽目的でやってみよう~!
人とのつながりと関連がありますが、
「できれば研修医を始め、当院で働きたいと思うスタッフをたくさん集めたい」
とも思っています。
そのうち、当科スタッフや研修医達とも協力してこのブログが作っていけて、
当院の魅力も発信できればいいな~なんて考えています。
それまでは匿名で。
日々の勉強内容
routineの勉強内容はおおむね以下の範疇でしているような。
- 救急主要雑誌のreview article
- PEER Ⅸ、MKSAPなどの問題集
- ACEPなどが提供するCME program video
救急主要雑誌のreview article
NEJM、Lancet、BMJ、JAMA、Ann Intern Medをはじめ、
Emerg Med Clin North Am、Emergency medicine practice、Emergency medicine reports、Ann Emerg Med、Am J Emerg Med、Emerg Med Jなどのreviewを漁っています。
余裕があったり、これは…!とおもう論文については原著論文も読んだりしています。
PEER Ⅸ、MKSAPなどの問題集
問題集での勉強って学生時代にかなりやってきたし、忙しい合間にもできるので
相性がいいのかな?と感じます。
backgroundの知識をつけるためにこなしています。
PEER ⅨもMKSAPも、それぞれACEPやACPが出している知識のself-assessmentのための問題集です。
去年の救急科専門医試験の前までにPEER Ⅸはざっと解きましたがあまり解説は読まずだったため、2週目に入りました。
MKSAPは2017版を買ってからほとんど手つかずで忘れていたのを最近発掘しました。
内科的な土台を作るのにはよいと思うのでこれから進めていきたいと思います。
溜めてしまった進〇ゼミとかZ〇とか思い出すなぁ。。。
ACEPなどが提供するCME program video
これも結構いいです。
海外のえらい救急医がたくさん論文を紹介しながら最近のトレンドをreviewしてくれます。
新鮮なネタもありますし、忘れていたことも思い出せたりするので興味深いです。
次回からは、日々の勉強についてガンガンoutputしていきます!
よろしくお願いします。